リーダーの役割とは?リーダーシップを発揮するために必要なスキル・資質・行動
いざチームリーダーに任命されたものの、どのようにリーダーシップを発揮していいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。チームメンバーをまとめるとともに、メンバー一人ひとりの業務の進捗度合いを把握し、ときに適切なアドバイスを行うことも必要になるでしょう。
チームリーダーに求められる資質や行動とはどのようなものなのでしょうか。チームリーダーが果たすべき役割とともに詳しく見ていきましょう。
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リーダーの役割
一般的にリーダーとは「目的達成のために組織(チーム)の力を引き出し、導く人」
という意味でとらえられています。
経営学者であるドラッカーの考えによると、
リーダーは「独立した実体」というよりはむしろ「機能」や「働き」を意味するとされており、
さらに「地位」ではなく「責任」だとされているのです。
このようなリーダーの定義によれば、
リーダーにはカリスマ性など属人的な特性は必要とされておらず、チームの中でどのように動くか、どう責任を担うかということがポイントになります。
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リーダーシップとは
リーダーシップ(Leadership)は、組織やグループ内で方向を示し、他のメンバーや関係者を指導し、影響を与える能力やプロセスを指します。以下、リーダーシップに関連するいくつかの重要な要素をご紹介します。
- ビジョンと方向性
リーダーシップとは、明確なビジョンや目標を持ち、それを他の人に示し、共有する能力です。
リーダーは、組織やチームの方向性を決定し、他のメンバーにその方向に向かって協力するよう導きます。 - 影響力と説得力
リーダーは他の人々に影響を与え、説得力を持って意思決定を促進します。
これは、コミュニケーションスキル、説明力、誠実さなども必要となるスキルです。 - 決断力
リーダーは時に難しい決断を下さなければならず、それが組織やチームの成功に大きな影響を与えることがあります。
適切な情報を収集し、リスクを評価し、適切な行動を選択する能力が求められます。 - コミュニケーション
リーダーはメンバー同士が、協力・連携し、物事が円滑に進むようなサポートも行います。
そのため、リーダーシップには優れたコミュニケーションスキルが不可欠です。 - 共感力とチームビルディング
リーダーはチームメンバーと感情を交流させ、仲間の感情やニーズを理解し、チームビルディングを行います。 - リーダーシップスタイル
リーダーシップにはさまざまなスタイルがあり、状況や組織のニーズに応じて適切なスタイルを選択することが大切です。指示的・協力的・委任的など、様々なスタイルがあります。
リーダーシップは組織や文化によって求められる要素が異なり、リーダーシップの形態は多岐にわたります。
リーダーシップは単なる地位や権限ではなく、行動や資質に関連するものです。
立場で人を率いるのではなく、リーダーはそのスキルと人格を磨き、メンバーが自主的についていきたいくことが重要です。
会社組織におけるリーダーの6つの役割
リーダーにはメンバーを成長させること、チームとしての成果を最大化することを通して企業活動に貢献していくことが求められます。
そのためにリーダーに求められる主な役割として、以下の6つが挙げられます。
- 仕事の目標と目的を設定してメンバーと共有する
- チーム単位で計画的に行動する
- メンバーが活躍しやすい環境を整える
- チームメンバーを育成する
- チーム全体の業務管理
- 他部署と連携して情報を伝達する
リーダーの役割は「メンバーを成長させ、チームとしての成果を最大化させ、企業活動へ貢献する」ことです。
仕事の目標と目的を設定してメンバーと共有する
リーダーとして、まずすべきことは、仕事の目標と目的を設定してメンバーと共有することです。
- 達成すべき目標の設定
- 何のためにその目標に向かって業務にあたるのか、また個々の業務の目的を定めること
- 目標と目的をチームメンバーと共有すること
チームの目標や業務の目的は、チームリーダーだけが把握していればいいというものではありません。
チームメンバー全体が認識をすり合わせ、同じ方向に向かって仕事をしていくためには
チーム全体で達成目標や目的を共有することが重要です。
目標や目的がチーム全体の共通認識となることで、
個々のメンバーが達成に向けて意欲を持って仕事に向かうことができるようになります。
同時に個々のメンバーに対して、リーダーが期待していることを具体的に伝えることができれば、
メンバーのモチベーションアップが期待できるでしょう。
メンバーを束ね、チーム単位で計画的に行動する
チーム単位の仕事を行う場合、一つひとつの仕事はメンバー個人が行いますが、
最終的にはチーム全体で連動し、チームとしての成果を出すことが必要となります。
チーム全体の仕事を連動させるために、チームリーダーはメンバーを束ね、
チーム単位で計画的に行動するように仕向けることが求められるのです。
そのためには、自身が先頭に立ってメンバーを巻き込み、チーム全体の行動を作り出していくことがリーダーの役割のひとつだと言えるでしょう。
メンバーが活躍しやすい環境を整える
ときにメンバーから「働きにくい」という声が上がることもあり得ます。
リーダーはその空気をいち早く察知し、改善努力をしていく必要があります。
チームのパフォーマンスを最大化するためにも、
メンバーが活躍しやすい環境を整えることはリーダーの重要な役割です。
サポートが必要なメンバーがいれば個別に対応し、成果を出すための尽力をすることが必要となるでしょう。
また、チーム内容の情報共有ができていることもメンバーの活動環境をよくするためには大切です。
もしチーム内で十分に情報共有ができないという事情がある場合は、
たとえばチャットなどのツールを導入するなどして情報交換できる場を作ることも、
チーム内の環境を整えるために有効な方法と言えます。
チームメンバーを育成する
チームメンバーの経験値は一定とは限りません。
経験豊富なメンバーもいればはじめてチームに参画するというメンバーもいるでしょう。
そういった経験の浅いメンバーの場合は特に、メンバーとして動けるように仕向けていくことが必要になります。
こうしたチームメンバーの育成もリーダーの重要な役割のひとつです。
チームメンバーの仕事の進捗状況や意欲に常に気を配り、
1on1ミーティングを活用するなどして育成していくことができれば、チームのパフォーマンスも上がっていくでしょう。
チームメンバーにとってもリーダーが見守ってくれることは心強いですし、チームの一員としての自覚が芽生えるようになります。
チーム全体の進捗など業務管理をする
1プレイヤーとして働いているときは自身の業務管理だけで済みましたが、
リーダーになればチーム全体の業務管理も行わなければいけません。
チーム全体の進捗状況に常に気を配り、
遅延が生じている箇所とともにその原因についても把握する必要があります。
リーダーに求められるのは、常にチーム全体の最適化を図ることです。
そのためにチーム全体の業務管理は欠かせません。
チーム全体の業務管理は会社全体の目標の達成にも大きく関わるため、チームリーダーがしっかり把握し、さらに全体を見ている上司に対して進捗の報告をすることも重要です。
他部署と連携して情報を伝達する
チームリーダーは自身が管理しているチームのパフォーマンスを最大化することが求められますが、
全社的な目標達成のためにはときに他部署と連携する必要も出てきます。
他部署とのの連携がうまくとれてこそ全体のプロジェクトがうまく回るということは少なくありません。
そのため、チーム全体を把握するとともに他部署のリーダーとも連携し、
情報を伝達することもチームリーダーの役割として非常に重要です。
そのことによってチーム間で進捗状況を共有し、メンバーも連携意識を持って
仕事にあたることが可能になります。
チーム間の連携を意識し、スムーズに仕事を進めていくよう仕向けることは、チームのパフォーマンスを上げるためにも必要です。
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リーダーシップスタイルの種類
リーダーシップにはさまざまなスタイルが存在し、それぞれ異なるアプローチや特性を持っています。
以下に、一般的なリーダーシップスタイルをいくつかご紹介します。
leadership
変革型リーダーシップ(Transformational Leadership)
ビジョンを提供し、チームメンバーに高いモチベーションと情熱を駆り立てます。
リーダーは変革をリードし、組織やチームを進化させる役割を果たします。
【キーワード】 インスピレーション、モチベーション、ビジョンの共有、個人の成長をサポート。
leadership
指示型リーダーシップ(Directive Leadership)
タスク指向型のリーダーシップスタイルで、明確な指示と規則を提供します。
リーダーが方向を示し、タスクを管理します。
【キーワード】 指示とコントロール、タスク管理、組織の規則遵守。
leadership
*委任型リーダーシップ(Delegative Leadership)
チームメンバーに自己決定権を与え、彼らの能力と判断力を信頼します。
リーダーは監視役として機能し、サポートを提供します。
【キーワード】委任と信頼、自己決定権、チームメンバーの成長を促進。
leadership
サーバントリーダーシップ(Servant Leadership)
リーダーは自己の利益よりも、チームや組織のメンバーのニーズを優先します。
サポートとリーダーシップを提供し、メンバーの成功を促進します。
【キーワード】サポート、共感、奉仕、メンバーの幸福と発展を重視。
leadership
トランザクショナルリーダーシップ(Transactional Leadership)
報酬とペナルティを使用して、タスク達成と規律を維持します。
リーダーはタスクの実行と報酬の交換を重視します。
【キーワード】報酬と認識、規則と規律、タスク指向。
leadership
分散型リーダーシップ(Distributed Leadership)
リーダーシップの責任と権限が複数のメンバーに分散され、個人とチームの共同作業が強調されます。
リーダーシップは組織内で広く分散します。
【キーワード】協力、共同作業、リーダーシップの共有。
これらは一般的なリーダーシップスタイルのいくつかですが、実際のリーダーシップはこれらのスタイルの組み合わせや適応によって形成されることがあります。リーダーは、状況やチームのニーズに応じて適切なスタイルを選択し、柔軟にリーダーシップスタイルを使い分けることが求められます。
リーダーシップスタイルの選び方
最適なリーダーシップスタイルは、状況に応じて変化することがあります。柔軟性を持ち、適切なタイミングで異なるアプローチを取る能力が重要です。また、リーダーシップスタイルの選択は試行錯誤の過程で磨かれ、経験を通じて洗練されるものです。
- 状況の評価
現在の状況や課題を評価し、どのようなリーダーシップアプローチが適切かを判断します。
危機的な状況や緊急の問題では、指示型のリーダーシップが必要かもしれませんし、
チームが成熟し、自己管理能力を持っている場合は委任型のリーダーシップが適していることがあります。 - チームメンバーの特性
チームメンバーのスキル、経験、モチベーション、個性などを考慮します。
チームのメンバーが高度な専門知識を持っている場合、分散型リーダーシップや変革型リーダーシップが役立つことがあります。 - 組織文化
組織の文化や価値観を考慮します。
一部の組織はサーバントリーダーシップや共感的なリーダーシップを奨励し、
他の組織はトランザクショナルリーダーシップを重視する場合があります。
リーダーシップスタイルは組織の文化に合致する必要があります。 - 目標と優先事項
チームや組織の目標や優先事項を考慮し、リーダーシップのスタイルを選択することも大切です。
例えば、目標が創造的なイノベーションを重視する場合、変革型リーダーシップが適していることがあります。 - 自己評価
リーダーは自身のスキル、強み、弱点を客観的に見て、
どのリーダーシップスタイルを選択すべきかを判断することも重要です。 - 周囲のフィードバック
チームメンバーや同僚、上司からのフィードバックを受け入れることが大切です。
他の人々の視点を考慮し、リーダーシップスタイルを調整することができます。
自分に合ったリーダーシップスタイルの見つけ方
自分に合ったリーダーシップスタイルを見つけるためには、以下の項目を参考にしてみてください。
見つけ方 | 詳細 |
---|---|
客観的な自己評価 | ・自分自身を客観的に評価しましょう。 ・自分の強み、弱点、価値観、信念、過去のリーダーシップ経験などを考えます。 ・自己評価は、適切なリーダーシップスタイルを見つけるための出発点です。 |
フィードバックの受け入れ | ・周囲の人々からのフィードバックを積極的に受け入れましょう。 ・同僚、部下、上司、友人、家族からの観察やコメントは、 あなたのリーダーシップスタイルに関するヒントを提供してくれることでしょう。 |
リーダーシップスタイルの研究 | ・リーダーシップに関する書籍・動画・ネット記事・ニュースなどから、 さまざまなリーダーシップスタイルの知識をつけてみませんか? |
実践と試行錯誤 | ・現場で試してみる・チャレンジしてみる。 ・プロジェクト、チーム、グループ、コミュニティなどで リーダーシップの役割を果たす機会を積極的に探しましょう。 ・リーダーシップスタイルは実践を通じて磨かれていきます。 |
他のリーダーの模倣 | ・成功しているリーダーを観察し、彼らのアプローチやスタイルから学びましょう。 ・他のリーダーの成功事例は、自分のリーダーシップスタイルを洗練させるのに役立ちます |
自分自身を受け入れる | ・自分自身を受け入れることが大切です。 ・完璧である必要はありません。 ・自分の強みや弱点を理解し、それを活かす方法を見つけましょう。 |
フィードバックループの設定 | ・フィードバックループを設定しましょう。 ・具体的には、定期的に自己評価を行い、リーダーシップの成功と改善点を記録します。 ・また、他の人々からのフィードバックを積極的に求め、改善するスタイルを構築してみましょう。 |
リーダーシップスタイルは個人によって異なり、成長と変化のプロセスであることを覚えておくことが大切です。
継続的な自己評価と学習を通じて、自分に合ったリーダーシップスタイルを見つけ、発展させることができます。
リーダーに必要な「資質」と「スキル」
チームリーダーの資質やスキルは、メンバーとの信頼関係の構築や成果の最大化に大きく関わります。
チームリーダーに求められる資質やスキルは、以下の通りです。
- 決断力・実行力
- 成長意欲
- コミュニケーション能力
- 責任感
- 公平さ
- 執着心
- 誠実さ・謙虚さ
- 寛容さ
最初からすべて備わっているとは限りません。経験を積み、学習していくことで習得できるものです。
決断力・実行力
リーダーが優柔不断だと、チームメンバーに迷いが生まれ、
チームとして一丸となって行動することが難しくなります。
そのため、チームリーダーには素早い決断力と実行力が求められます。
メンバーが迷ったときにどの方向性に導くか決断し、行動に導くこと、
そして場合によってはやって見せる実行力も必要になるでしょう。
また、仕事が進むにつれて決断する場面が増えていくことも少なくありません。
その際にはメンバーごとの進捗状況や意見を把握するなどして、よりスムーズに仕事を進めることができるように
適切なタイミングで決断していくことが大切です。
時には、一度決断した方法よりさらに適した方法が見つかるかもしれません。
その際はメンバーを説得し、方向性を決断していくことも必要です。
じっとひとりで考えているのではなく、チームを巻き込む実行力も必要となるでしょう。
成長意欲
リーダーの自身の成長意欲は、チームメンバーへの良い刺激になります。
リーダーに成長意欲がなければチームメンバーの成長意欲を引き出すことは難しいでしょう。
リーダーがチャレンジする姿を見せてはじめて、
メンバーも「自分も向上しよう」という意識を持つことができることもあるのです。
もしリーダーに成長意欲がなく、ただ淡々と仕事をしているだけでは、
メンバーは「あの程度で構わないのかな」と思ってしまいます。
そうするとチームの士気が下がり、パフォーマンスを最大化することなどできなくなるでしょう。
チームリーダーを見てメンバーも成長していきます。
常に見られているという意識を持ち、「どうすればチームのパフォーマンスを上げられるか考える」など、リーダーとして成長意欲を持ち取り組む姿勢を示すことは非常に重要です。
コミュニケーション能力
リーダーには、メンバーへの指示や期待を的確に言語化できるコミュニケーション能力が必要です。
外国人がチームメンバーに入ることも大いにあり得ますし、
世代間ギャップや経験値・価値観などの違いがあり、共通項の少ないメンバーをまとめることが必要になることもあるでしょう。
そういったメンバー一人ひとりに対して、リーダーとして意図しているところを正確に言語化して伝え、
理解を深めることはとても重要です。
そのため、チームリーダーにはコミュニケーション能力が求められます。
リーダーとしてはメンバーの仕事上の悩みなど異変に気付ける細やかさを持っておきたいところです。
仕事上のやり取りはメールも多いでしょうが、
それだけに頼るのではなく、日頃からメンバーと言葉を交わし、普段と変わったところがないか目を配ることも大切です。
真摯にメンバーと向き合うことによって信頼関係を築くこともできるでしょう。
責任感
リーダーはチームを任されているわけですから、
そのチームの仕事、目標達成について責任を負うことになります。
そのため、責任感はリーダーの資質として重要です。
特に、チームメンバーがミスをしたときなどはリーダーとしての器が試されます。
そういったときの対応ひとつで、メンバーからの信頼を得ることにも失うことにもつながります。
リーダーはチーム全体に責任を負うため、
メンバーのミスを自分のミスとして考えられる責任感が求められるのです。
また、目標に向かって途中で投げ出さずやりきる姿勢を見せることも、メンバーにリーダーとしての責任感を見せることになり、チームに良い影響を与えることができるでしょう。
公平さ
メンバーに対して公平に評価できることはリーダーに必要な資質として非常に大切です。
優れたリーダーは好き嫌いといった感情論ではなく、メンバーの置かれた状況を前提に冷静に、
公平な目でメンバーを評価します。
もし感情論でメンバーを評価すれば、不公平に扱われたと感じるメンバーが出てくるでしょう。
そうしたメンバーは仕事へのモチベーションが下がってしまい
「どうせやっても評価されない」と仕事に対して積極的に取り組むことができなくなるでしょう。
チーム全体のパフォーマンスが下がることにもつながりかねません。
チームリーダーとしては、チーム内の調和がとれているかどうかという点にも敏感である必要があります。
そのためには「この点を指摘されたからこういう評価になるのか」ということを
メンバーが納得するように仕向ける必要があります。
そのためにも公平さを持ってメンバー一人ひとりと向き合うことが求められるのです。
執着心
リーダーのミッションは、チームをまとめ、チームの目標達成を現実のものとすることです。
そのため、リーダーには目標達成への粘り強さが求められます。
リーダーの目標達成に対する執着心は、そのままメンバーにも伝わり、
チームが一丸となって目標達成しようという良い空気を生むでしょう。
チームリーダーには「必ずチームでやりきる」という意識が何よりも大事です。
もしリーダーに執着心がなければ、メンバーだけに難所を乗り切ることを求めることになるので、
そうしたリーダーにメンバーがついてくることは期待できません。
リーダー自身が執着心を見せることによってはじめて、メンバーにも困難を乗り越えようという意欲が芽生えるのです。
誠実さ・謙虚さ
チームが一丸となって目標達成に向かうためには、チーム全体の信頼関係欠かせません。
その信頼関係を築くために欠かせないのが誠実さや謙虚さです。
そして、リーダーが誠実であり謙虚であることがチーム間の信頼関係を築く基礎になります。
余裕がないときにはどうしてもおざなりな対応になってしまいがち、
ということもあるかもしれませんが、一度誠実さを欠いた行動に出てしまうと、
メンバーからの信頼を失ってしまいかねないことに注意しましょう。
一度崩れた信頼関係を再構築するのは非常に困難です。
普段から誠実にメンバーに対応することを心がけることが大切です。
また、調子のいいときこそ、自分がリーダーだからチームが回っているというような
傲慢な態度をとるのではなく、謙虚さを忘れないようにしましょう。
メンバーの力があってこそチームリーダーとしての仕事ができているということを常に自覚することが大切です。
寛容さ
メンバーが失敗したときにどのような対応の仕方をするかによって
リーダーの器の大きさがわかります。
メンバーの失敗はチームの失敗、つまりリーダーの失敗とも言えます。
メンバーだけを厳しく叱責するだけでは解決にはなりません。
もちろん最初に決めたルールを破ったといったことについてはときには自覚を促すべく
注意することは必要ですが、自分の伝え方が十分だったか振り返ることができるような
寛容さもリーダーの資質として大切です。
チームメンバーには経験が浅い人もいるでしょう。
ですから、仕事をしていくうえで失敗をすることもあり得ます。
その際に、チームで最後までやりきることを第一に考えているリーダーであれば、
メンバーが失敗によって委縮せずにその後の仕事に向き合っていくことが大切だ、という寛容さを持って接することができるでしょう。
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信頼されるリーダーの具体的な行動例
信頼されるリーダーの具体的な行動例としては以下のようなものが挙げられます。
- メンバーを信頼して仕事を任せる
- 適切なタイミングでフィードバックを行う
- メンバーを褒める
- メンバーに自ら思考させる
- メンバーの個々の特性に合わせた指導をする
- メンバーに明確な役割を持たせる
メンバーを信頼して仕事を任せる
メンバーの経験が浅い場合、リーダーが先回りして自分で仕事をやってしまい、
メンバーに与えられた仕事をさせない、ということが起こり得ます。
しかし、それではメンバーの成長は望めませんし、メンバーとしても信頼されていないと思い、
リーダーに対する不信感、不安感が生まれてしまいます。
チーム全体で仕事をするのですから、リーダーはメンバー一人ひとりに仕事を割り振り、
困ったことがあったときに相談にのり、解決方法を指摘するといった対応をすることが重要です。
その根底にあるのはお互いの信頼です。
信頼されていると思えるからこそメンバーは目標達成のために努力できますし、
迷ったときはリーダーに相談できるという安心感を持つことができます。
メンバーを信頼して仕事を任せることは、チームの成果を最大化するためにも大切なことだと言えるでしょう。
適切なタイミングでフィードバックを行う
仕事を進めている途中でフィードバックを行うことはとても大切ですが、
ただ回数が多ければいいわけではありません。
適切なタイミングで的確なフィードバックを出してこそ意味のあるフィードバックです。
ただし、フィードバックをまったくしないのは問題です。
進捗状況の把握の意欲がないのか、相談にのる気がないのか、といったようにメンバーから信頼を失い、
チーム内に不満がたまる危険性があります。
適切なタイミングで「何が良かった、あるいは良くなかったのか」「そうすれば改善できるか」などを
考える機会を持つことがフィードバックをするために重要です。
メンバーによっても異なるので、一人ひとりの進捗状況を把握しつつ適切なタイミングでフィードバックを行いましょう。
メンバーを褒める
優れたリーダーはメンバーを褒めることにも長けています。
目に見える結果だけを褒めるのではなく、結果までのプロセスからも褒められる点を見つけ出し、それをメンバーにしっかり伝えましょう。
適切なタイミングでメンバーを褒めることは、メンバーの士気を高め、
ひいてはチームのモチベーションをぐんと上げることができます。
心理学的にも叱って指導するよりも褒めて指導した方が、指導内容が定着しやすいと言われています。
適切なタイミングで良いところを見つけて褒めることは「見ていてくれているんだ」という信頼関係にもつながります。
メンバーに自ら思考させる
メンバーを育成するためには、ティーチングよりもコーチングスキルが役に立ちます。
ティーチングとコーチングの違いは以下の通りです。
ティーチング
上の立場から、答えやとるべき行動を「教える」ことです。
一方的なコミュニケーションに陥り、受け手は次第に指示や答えを待って受動的になる危険がある点に注意しましょう。
コーチング
対等な立場から、答えやとるべき行動を相手から「引き出す」ことです。
双方向のコミュニケーションにより、受け手はやる気や自主性を持つようになるというメリットがあります。
メンバーの成長のためには、一方的なティーチングよりもコーチングスキルを用いて
メンバーが自らに考えるように仕向けていくことが必要です。
メンバー自身が腑に落ちるまで考えることによって、解決方法を見つけ出す可能性も高まります。
メンバーの個々の特性に合わせた指導をする
リーダーシップは、自分の方法論や価値観を押し付けることではありません。
それではメンバーを伸ばすことはできないでしょう。
なぜならメンバー一人ひとり、強みや特性は異なるからです。
個々の異なる強みや特性を伸ばすことができて初めて、チームとしてのパフォーマンスは上がります。
そのため、リーダーにはメンバーの特性に合わせた指導をしていくことが求められます。
メンバーの性格によっても指導方法は異なるでしょう。大切なのはメンバーの良さを殺さないことです。
押し付けでない、メンバーの特性に合わせた指導によって、メンバーの持つ強みをより引き出すことができるでしょう。
メンバーに明確な役割を持たせる
仕事を進める上で、チームのメンバーが自分は何をするのか、
そしてそれは目標達成のためにどのような意味を持つのか、ということを明確にすることはとても大切です。
メンバーは自分の役割が明確であるほど、その仕事に使命感を持ち、
責任感を持ってやりきろうとするでしょう。
また、ひとつの役割をやり切ることはメンバーにとって経験値を積み、成長することにつながります。
そこで、リーダーにはメンバー一人ひとりに明確な役割を持たせるようにすることが求められます。
そして個々のメンバーの役割を統括して俯瞰しながら、ときには的確に指摘を入れていくことが必要です。
指摘をする際も曖昧ではなく明確にすることで、メンバーに働きかけてチームの質を上げることが可能になります。
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まとめ
リーダーシップは天性のものと思われるかもしれませんが、
むしろリーダーの資質やスキルは、経験を積みながら努力して学習することで身につけていくものです。
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