コミュニケーション研修の費用はどれくらい？目的や強化できる能力、実施のポイントも紹介

仕事をするうえで欠かせないスキルの一つに、コミュニケーション能力が挙げられます。コミュニケーションは、業務の質に大きな影響を与えるだけでなく、上司や部下、同僚の関係性など職場の環境にも関わる要素です。

社員のコミュニケーション能力を高めることにより、業務の円滑化や生産性の向上につながります。コミュニケーションスキルを高める方法として、コミュニケーション研修を取り入れるのもおすすめです。

コミュニケーション研修とは

コミュニケーション研修とは、社内・社外のやりとりで使える実用的なコミュニケーションスキルを身につけるための研修です。

仕事で年齢や性別、立場の異なる人と関わるうえで、社員には相手とスムーズに意思疎通を図り、良好な関係を構築するためのスキルが求められます。

ほとんどの仕事はコミュニケーションなしでは成り立ちません。意思伝達が上手に行えないことによって、商談に失敗したり、社内では人間関係のトラブルが起こったりします。

仕事においてコミュニケーション能力は、もっとも大事なスキルといえるでしょう。そのコミュニケーション能力を高めるために実施するのがコミュニケーション研修であり、新入社員から経営層までを対象として幅広く行われます。

コミュニケーション研修の費用

コミュニケーション研修の費用は、1人あたり数万円～数十万円程度です。

社内に講師を招くとコストも高くなりますが、企業の職種や目的などに応じて研修内容をカスタマイズしてもらえるメリットがあります。社員が同じ時間や内容を共有でき、意識を同時に高められることも利点です。

また、コミュニケーション研修の費用は研修の種類によっても変わってきます。対人コミュニケーションやビジネスコミュニケーションなど、基本的なスキル向上を目的とした研修は比較的安価です。

一方、特定のスキルにスポットを当てた研修は費用が高くなる傾向にあります。
研修期間の日数によっても費用は異なり、半日や1日で完結する研修なら比較的安価であるものの、複数回に分けて行う研修だと費用は高くなります。

コミュニケーション研修の目的

コミュニケーション研修を導入している企業は多くありますが、どのような目的で行っているのでしょうか。
ここでは、コミュニケーション研修の目的を紹介します。

社員同士の関係性を改善・向上する

コミュニケーション研修は、社外的にではなく、社員同士の関係性を改善・向上することを目的に行われる場合もあります。

職場で社員同士のコミュニケーションがスムーズに取れていないと、連帯意識が希薄になり、報連相がスムーズに行われないという弊害が生じます。

場合によっては、仕事でミスが起こったり、ストレスが溜まって離職につながったりすることもあるでしょう。企業は組織で動くものであり、多くの業務は社員1人の判断で完結するものではなく、複数の社員が連携して行います。

社員同士の関係性を改善・向上することにより、情報共有の活発化や生産性の向上につながり、チームワークも良くなるでしょう。社員同士が気軽に相談しやすい雰囲気が作られると、何気ない雑談から新しいアイデアやビジネスのきっかけが生まれることもあります。

顧客や取引先との関係性の向上

コミュニケーション研修の目的として、顧客や取引先との関係性を向上することが挙げられます。

顧客や取引先とのコミュニケーションが未熟だと、相手に意図が通じなかったり、不満や不信感を持たれる場合もあるでしょう。

場合によっては、コミュニケーション不足で取引停止や契約解消など、会社に大きな損害をもたらします。コミュニケーション研修を通じて、相手の気持ちに配慮しつつ、自分の意思をわかりやすく伝える力が身につくでしょう。

これらは顧客や取引先とのやりとりに役立つ力であり、関係性を深めることにより、事業の拡大につながる可能性もあります。

業務の効率化を図る

業務の効率化を図ることを目的に、コミュニケーション研修を実施するケースもあります。

ビジネスの現場では、コミュニケーション不足による伝達ミスや、誤解が原因でムダな作業が発生するケースも少なくありません。場合によっては、伝達ミスや誤解が業務の遅延や品質低下、トラブルを招くケースもあります。

これらのリスクやトラブルは、コミュニケーションのスキルを高めることにより、最小限に抑えることが可能です。また、意思疎通が円滑になって業務がスムーズに進むと、生産性の向上にもつながるでしょう。

コミュニケーション研修で強化できる能力

コミュニケーション研修を通してさまざまな能力を強化できます。ここでは、コミュニケーション研修で強化できる能力を解説します。

傾聴力

傾聴力は、相手の話に耳を傾けて理解しようとする能力です。傾聴力が高い人は、相手の言葉に加えて感情や意図を捉えることができ、信頼関係を築くためや問題解決において大切な役割を担っています。

ビジネスで成功するために欠かせないスキルであり、顧客の要望を正確に把握し、リーダーにおいては円滑なコミュニケーションに必要です。

また、傾聴力を磨くことによって表情や会話の間など、言葉以外の要素からも相手の意図を汲み取れるようになります。そうなると、深いレベルの人間関係が構築しやすくなり、周囲の人との人間関係もスムーズになります。

伝える力

伝える力とは、相手に情報や感情、言葉を明確に、かつ効率よく効果的に伝えられる能力のことです。

伝える力が高い人は、聞き手の理解度や感情を考慮しつつ、目的に応じて最適なコミュニケーションの手段がとれます。伝える方法としては「話す」「書く」という選択肢があり、ビジネスシーンでは状況に合わせて適切に伝えなければなりません。

また、相手に情報を伝える際には、相手に合わせて話し方や伝え方を変えていく必要があります。コミュニケーション能力が低いと、自分が伝えたいことばかりに気が向いてしまい、伝える相手を意識できていないケースもあります。

そうならないためにも、伝える力を身につけることは大切です。

交渉力

交渉力は利害や立場、役割が異なる人に対し、お互いが納得して着地できるように話し合う能力のことです。

ビジネスはあらゆる利害関係で成り立っており、それぞれの意思や要求がかみ合わない場合もあります。このような場合に、お互いの関係を悪化させずに、お互いが納得できる着地点を見つけるために必要となるのが交渉力です。

自分の意見を無理に通したり、相手の要求に合意しなかったりは簡単ですが、それでは顧客や取引先も離れてしまいます。

大切なことは、相手の意思や要求を的確に把握し、できるだけ円満解決できるように促していくことです。コミュニケーション研修を通して交渉力を鍛えることにより、不必要なトラブルを回避し、円滑に物事を進められるようになります。

信頼関係を作る力

コミュニケーション研修を受けることにより、信頼関係を作る力も身につくでしょう。
信頼関係とは、「この人なら安心して任せられる」「この人は信頼できる」など信じて頼ることができる関係性のことです。

信頼関係を築くことによって、人間関係のトラブルが減ったり、顧客から課題への相談や仕事依頼が増えたりする効果が期待できます。また、信頼関係ができると心理的に安心ができ、コミュニケーションがさらに円滑になるのも大きなメリットです。

質問力

質問力とは、不明点や疑問点を解消し、事実を正しく理解するために問いかけられる能力です。何にでも問いを投げかけられる能力ではなく、物事の背景や相手の事情を把握したうえで、よりよい結果を導くために適切な質問ができる能力となります。

質問力を磨くことにより、ビジネスでは商談で相手から聞きたい情報を収集したり、相手の悩みや問題を引き出して解決に結びつけたりできます。また、管理職であれば部下や後輩に指示するのではなく、的確な質問をしながら、本人のやる気や気づきを促せるでしょう。

コミュニケーション研修実施のポイント

コミュニケーション研修は、単に実施するだけでは効果が期待できません。ここでは、コミュニケーション研修の効果を高めるポイントを紹介します。

目的や課題を明確にする

コミュニケーション研修を検討する場合、まずは「何のために研修を行うのか」に軸を置き、目的や課題を明確にすることが大切です。

コミュニケーションを取る相手が「社員同士なのか、顧客なのか、部下なのか」によって実施すべきコミュニケーション研修の内容も異なります。また、「商談中なのか、社内会議なのか」など、どのようなシーンのコミュニケーションを想定しているか、シチュエーションも詳しく設定しておきましょう。

研修を受講する社員がどのような課題を持っているかも、あらかじめ確認しておくことが大切です。コミュニケーションに対する課題や悩みを、ヒアリングやアンケートを実施し、まとめておきましょう。

階層別研修を実施する

コミュニケーションスキルは、新入社員から経営層まで幅広い階層に必要となる能力であるため、階層別に研修をするのがおすすめです。

たとえば、新入社員であれば社会人として、自部署内で円滑なコミュニケーションを取れるような内容の研修がよいでしょう。中堅社員であれば自部署内と自部署外との円滑なコミュニケーション、管理職であれば他部署や外部との調整、交渉に軸を置いた研修内容が最適です。

コミュニケーション研修といっても、階層別にさまざまなカリキュラムが用意されており、どれでもいいというわけではありません。

階層や課題、目的に合わせた研修選びが大切です。

定期的にフィードバックする

コミュニケーション研修は実施して終わりではなく、定期的にフィードバックの機会を設けることも大切です。

コミュニケーション研修は、単に知識やスキルを身につけるのが目的ではなく、そこで学んだことを業務に活かす必要があります。研修時には学習できたと思っていても、実際の業務では活かすことができていない場合もあるでしょう。

学びを実践に活かすためにも、コミュニケーション研修は複数回実施するか、定期的なフィードバックの機会を設ける必要があります。また、研修を実施したあとには振り返る機会を設け、レポートの提出やプレゼンテーション、アンケートの作成にも取り組みましょう。

自社の事情や状況に最適な研修方法を選ぶ

コミュニケーション研修を効果的に行うためにも、自社の事情や状況に合った研修方法を選ぶことが大切です。

研修方法として、具体的に以下の方法があります。

• 講師を招いて社内・社外で集団研修を行う
• e-ラーニングを活用する
• コミュニケーションに関する公開講座を受講する

「基本的なコミュニケーション研修は場所や時間を問わずオンラインでできるe-ラーニング」、「実践的な内容の研修は講師を招いて集団研修」のように、自社の事情に合わせて組み合わせて実施するのもよいでしょう。

カスタマイズできる研修会社を選ぶ

コミュニケーション研修の効果を高めるためには、研修内容をカスタマイズできる研修会社を選ぶのもポイントです。一からすべてオーダーメイドでつくり上げるパターンもあれば、一般的な研修テンプレートをベースに、中身を必要に応じて変更していくパターンがあります。

同じコミュニケーション研修でも、企業によって必要とする知識やスキルは異なります。

テンプレートに沿った研修だと、意図に沿った研修内容ではなく、時間や費用がムダになってしまう可能性もあります。そうならないためにも、カスタマイズできる研修会社を選ぶのがおすすめです。

まとめ

コミュニケーション研修を実施することにより、顧客や取引先、社員同士のコミュニケーションが円滑になります。コミュニケーションが円滑になると、商談の増加や事業拡大、社員の離職防止や社内の信頼関係の強化にもつながるでしょう。

ただし、一口にコミュニケーション研修といっても、対象や課題、目的に応じてさまざまなカリキュラムがあります。階層によっても必要なコミュニケーションスキルは異なるため、研修の種類や内容を精査し、意味のある研修にすることが大切です。

コミュニケーション研修なら、ガイアシステムにお任せください。
ガイアシステムでは企業ごとに異なる課題を解決するためのオーダーメイド研修や、定額制オンライン研修、セミナーなどニーズに合わせた研修カリキュラムをご提案します。

まずはお気軽にお問い合わせください。