マネジメント研修の費用はどれくらいかかる？研修内容や目的も解説

管理職がマネージャーとしての役割を果たすために、必要な考え方やスキルを習得する研修をマネジメント研修といいます。研修を実施することで、部下のパフォーマンスの管理方法や運営のスキルが身につき、さらには管理職の成長も期待できるでしょう。
一方で、「マネジメント研修にかかる費用が気になる」「予算はどれくらい？」など、費用について疑問や不安に感じることがあるかもしれません。

マネジメント研修にかかる費用　

マネジメント研修にはe-ラーニング、企業研修、公開講座などがあり、研修の種類によってかかる費用は異なります。
ここでは、研修の種類ごとの費用相場を紹介します。

e-ラーニング研修

e-ラーニングのマネジメント研修にかかる費用は、月額制だと1人約1,000～15,000円です。
e-ラーニングはパソコンやタブレット、スマホなどを用いて行うオンライン形式の学習方法のことです。

インターネット環境があればどこでも受講できるため、時間や場所を問わずに学習できるメリットがあります。また、研修には同じ学習教材を用いるため、企業にとっては受講者に均等に学習機会を提供できます。

さらに受講者の行動履歴をデータで残しておけるため、企業は「誰がいつ何を学習したか」を簡単に管理できることもメリットです。時間の確保が難しい管理者にも、時間や場所に左右されないe-ラーニングでマネジメント研修を受けるメリットは大きいといえます。

講師派遣

外部から講師を派遣して行うマネジメント研修にかかる費用は、1日約40～60万円です。費用は委託先や期間によって異なります。
講師派遣型研修のメリットは、専門的な研修を効率よく実施できることです。経験豊富な講師のレクチャーを通し、社内にないノウハウを取りこむことができます。

また、自社ならではの課題を伝えておくことで、プロのアドバイスを受けながらオーダーメイド研修を組み立てられるのも講師派遣研修のメリットです。

公開講座

社内外関係なく参加できる公開講座では、マネジメント研修にかかる費用は1日1人約1～5万円です。オンラインでも行うことができるため、遠方にいても参加できます。オフライン形式であれば、他企業の社員とも交流できるため、情報交換を通じて業界の事情やトレンドを知れるなどもメリットです。

公開講座は時間や内容によって費用が異なるため、相場を理解しつつ、見積もりをとっておく必要があります。

定額制オンライン研修

マネジメント研修を定額制のオンライン研修で実施することも可能です。
ガイアシステムのナレキャンなら、月々30万円の定額で、月2回、研修実施が可能です。

マネジメント研修費以外にかかる費用

マネジメント研修では、研修費以外にもさまざまな費用がかかるため、すべての費用を合算して予算を算出する必要があります。ここでは、マネジメント研修費以外にかかる費用を紹介します。

講師や受講者の交通費、宿泊費

マネジメント研修で遠方から講師を招く場合は、交通費や宿泊費は企業が負担するのが一般的です。

また、遠方で行われるマネジメント研修に社員が参加する場合、かかる交通費や宿泊費も企業が負担しなければなりません。そのため、マネジメント研修を行う会場までの距離が遠いほど、もしくは講師が遠方に済んでいるほど交通費の負担は大きくなります。

そして、研修日数が増えるほど宿泊費の負担は大きくなります。交通費や宿泊費の負担が大きく、予算オーバーになる場合は、e-ラーニングで受講を検討するのも方法の一つです。

会場費

マネジメント研修を実施する際、ホールや会議室を外部で借りる場合は研修費とは別に会場費が必要です。

小規模な会場であれば1日あたり数万円ですが、規模が大きくなると数十万円以上必要になる場合もあります。

会場費を抑えたい場合は、自社の会議室を利用するのも方法の一つです。また、自治体が貸し出している会議室やレンタルルームも比較的費用は安くなっています。

設備費

マネジメント研修では、研修資料をスクリーンに映し出したり、講師と参加者の間で質疑応答したりするための設備費がかかります。

特にプロジェクター、スクリーン、パソコン、マイク、音響などは研修に必要不可欠な設備といえるでしょう。

これらの設備は会場で貸し出ししている場合もあります。自社の会議室で研修を行う場合だと、研修に使用する設備はレンタルもしくは購入が必要です。レンタルの方が安く済みますが、購入した方が初期費用はかかるものの、長期的に見た場合にコストパフォーマンスは高いでしょう。

マネジメント研修にかかる費用は誰が負担する？

マネジメント研修にかかる費用は、原則として会社が負担します。

会社負担の判断基準は、業務において不可欠な研修であるかどうかであり、マネジメント研修は部下育成という業務に必要とみなされるためです。ただし、自分自身のスキルアップを目的として業務に関係ない研修を受ける場合は、受講生自身の負担になる場合もあります。

マネジメント研修にかかる費用を会社が負担する場合は、そこにかかった費用を経費として計上します。
そのため、参加履歴を残しておき、経理処理においてもその内訳が分かるように仕訳が必要です。

マネジメント研修の必要性

マネジメント研修は、マネジメントに必要なスキルを習得するための研修です。ここでは、マネジメント研修の概要や目的を紹介します。

マネジメント研修の概要

マネジメント研修は、マネジメントに関する専門知識や業務に役立つ実践的なスキルを習得するための研修です。

そもそもマネジメントとは、企業活動に必要となる「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」などの経営資源を効率よく活用して目標達成を目指すことをいいます。マネジメントを行う管理職は、組織が目指すべきゴールに向けて目標を設定して導くことも業務の一つです。

なお、研修会社やコースによっては、マネジメント研修ではなく管理者研修という名前で研修を行っている場合もあります。
対象となるのは、部下を管理・監督する立場の社員で、新人のマネージャーや管理職候補、現職の管理職などです。

マネジメント研修の目的

マネジメント研修の目的は、組織の成長と企業の業績拡大のために、活躍できる社員を増やす管理職を育成することです。研修では、マネジメントを学習し、管理職マネジメントに対する理解を深めて、実践に使えるスキルを習得していきます。

マネジメント研修を受け、マネージャーとしての知識やスキルが深まると、組織の成長や企業の業績拡大の貢献につながるでしょう。

なお、マネジメント研修の目的を認識したうえで研修を受ける場合と、目的がはっきりしないまま受ける場合では習熟の度合いも異なります。マネジメント研修を検討している場合は、目的を社員に理解してもらうことが大切です。

マネジメント研修の内容

マネジメント研修の内容としては、部下育成・経営・組織強化の3つが挙げられます。ここでは、それぞれの内容や目的を紹介します。

部下育成に関する内容

マネジメント研修では、部下育成に関する知識やスキルを学んでいきます。具体的には、以下に関することです。

• コミュニケーション
• 目標設定
• フィードバック
• 成長支援
• モチベーション

部下育成とは、部下が仕事で成果を出すことを目的に成長を支援することです。上司には、部下一人ひとりの強みや課題を把握し、適切に指導・サポートする能力が求められます。

部下育成を通し、社員自身が現在の環境に魅力ややりがいを見出すことができれば、中長期的に企業の戦力となることが期待できるでしょう。

また、部下育成を通して仕事にやりがいを見出すことができれば、離職防止にもつながります。長く勤める社員が増えると、社内に蓄積されるノウハウにも厚みが生じ、組織としての競争力向上にもつながるでしょう。

経営に関する内容

マネジメント研修では、業績向上に欠かせない経営に関する知識・スキルも学んでいきます。具体的には、以下に関することです。

• パフォーマンス管理
• 時間管理
• 変更管理
• 論理

管理職には、部門やチームだけでなく、企業や組織全体の視点から数字を見て、判断する能力が必要です。将来の経営を担うためにも必要不可欠なスキルであり、経営数字の見方や使い方などを習得していきます。

経営スキルを身につけることによって、経営リスクの早期発見につながったり、経営戦略を効果的に策定したりなどの効果が期待できるでしょう。

なお、経営に関する内容が中心となったマネジメント研修は、主に上級管理職を対象として行われます。

組織強化に関する内容

マネジメント研修では、組織一丸となって円滑に業務を進めることを目的に、会社組織の強化についても学びます。

具体的には、以下に関することです。

• 業務プロセスの改善
• チームビルディング
• 組織風土の醸成

経営者のビジョンを社員に伝え、組織をまとめていくことも管理職の大切な役割です。

しかし、管理職の中には「経営者のビジョンが十分に伝えられていない」といった問題意識や葛藤を抱える方も少なくありません。そのため、マネジメント研修では管理者が会社の継続的な成長のために何が必要かを考えるところから始まります。

その後に、部署間の連携強化や社内全体としてのコミュニケーションを強化させるなど、組織力を向上させるマネジメントスキルを身につけていきます。

マネジメント研修の実施ポイント・注意点

マネジメント研修は何となく行っても意味がありません。ここでは、マネジメント研修を成功させるためのポイントを紹介します。

目的を明確にする

マネジメント研修を実施する際には、研修目的を受講者と共有して目的を明確にすることが大切です。

• チームの生産性を向上する
• 部下とのコミュニケーションスキルを高める
• 管理職の基本的なマネジメントスキルを習得する

受講者によって課題や目的は異なるため、研修を実施する前には管理者にヒアリングしておきましょう。ヒアリングをもとに課題や目的に合ったマネジメント研修を受講すると、効果の最大化につながります。

階層別に研修を実施する

マネジメント研修といっても、対象者は管理者候補やすでに管理職を担当しているなど、幅広い社員が対象となります。

階層によって持っている知識やスキルに差があり、今後身につけるべきものも異なるため、受講者の階層に合わせた研修の実施が大切です。

たとえば、管理者候補ならチームリーダーに必要なコミュニケーション能力やチームビルディング研修が効果的でしょう。すでに管理職の方なら、経営層に近いマインドやスキルを学べる上級管理職を対象としたマネジメント研修が最適です。

階層に合わせた研修内容でなければ、十分な研修効果を得られない可能性もあります。そのため、マネジメント研修を導入する際には、目的やカリキュラムが対象者に合っているかどうかも確認しましょう。

フォローアップ体制を整える

マネジメント研修を実施する際には、研修を受けるだけでなく、そのあとのフォローアップ体制も整えておきましょう。研修で学んだスキルは、業務で実践できなければ意味がありません。現場にもOJT担当者を配置するなどし、研修で学んだ知識やスキルが身につくようにしましょう。

また、フォローアップ研修の実施を行い、チェックリストを作成し、研修前後の成長の度合いが図れると受講者も何が足りないか把握できます。そのうえで改善できない部分を課題や目標とすることで、効率よくマネジメントスキルを高められるでしょう。

まとめ

この記事では、マネジメント研修にかかる費用の相場や研修内容、目的を解説しました。マネジメント研修にかかる費用は、研修形態や規模、期間によっても大きく変わるため、予算に応じて研修の導入を検討しましょう。

また、マネジメント研修の費用以外にも、講師や受講者の交通費・宿泊費、会場費、設備費などもかかります。これらの費用も踏まえたうえで、マネジメント研修の企画を行うことが大切です。

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