ロジカルシンキング研修|カリキュラム例や効果をご紹介
ロジカルシンキングは、物事を根拠と結論にわけ、その理論的な繋がりを筋道立てて考える思考法のこと。
ロジカルシンキング研修とは、頭のなかの散らばった問題を整理して、筋道を立てて考えられるようになるための研修です。研修でトレーニングを受けることで、仕事で「なぜこうなるのか?」「どうすれば解決できるのか?」といった疑問にぶつかったとき、論理的に考え、相手に分かりやすく説明できる力がつきます。社内研修として人気の高い研修の1つです。
ロジカルシンキングの基礎理解やトレーニング方法など、ロジカルシンキング研修の具体的な事例や、ロジカルシンキングを身につけるメリット・効果などを詳しく解説します。
こんな方に読んでほしい!
- ロジカルシンキングの基礎を知りたい方
- ロジカルシンキング研修を社内で検討・企画している方
- ロジカルシンキング研修の具体的なカリキュラム例を知りたい方
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ロジカルシンキング研修とは
ロジカルシンキング研修とは、物事を論理的に考え、筋道を立てて説明する力を養うためのトレーニングを行う研修です。迷路を解くように、複雑な問題を一つひとつ紐解いていき、最終的に正しい答えを見つけるようなイメージです。
具体的には、以下のようなステップで行います。
- 情報を整理する
>>複雑な問題を小さな部品に分解し、それぞれの要素の関係性を整理する。 - 論理的な思考を身につける
>>「なぜ?」「どうして?」と問いを立て、論理的な思考のステップを踏む練習をする。 - 相手に分かりやすく伝える
>>自分の考えを、論理的に組み立てて相手に伝える練習をする。
ロジカルシンキングとは?
ロジカルシンキングとは、論理的思考のことです。ある情報から、正しい結論を導き出す能力を指します。
「クリティカルシンキング」や「ラテラルシンキング」との違い
似た言葉に、「クリティカルシンキング」や「ラテラルシンキング」という言葉があります。簡単に説明すると、それぞれ以下のように説明できます。
クリティカルシンキング | ラテラルシンキング |
---|---|
批判的思考です。 与えられた情報に対して、疑いを持ち、深く掘り下げて考える能力。 | 水平思考です。 既存の枠にとらわれず、新しい視点から問題解決を試みる能力。 |
以下のように例え話で考えてみると、より分かりやすいです。
「なぜ空は青いのか?」という疑問を持ったとき、それぞれの思考では以下のような違いがあります。
ロジカルシンキング | 科学的な知識に基づき、大気の分子が太陽光を散乱させるから、というように論理的な説明をしようとする。 |
---|---|
クリティカルシンキング | 「本当に空はいつも青いのか?」「宇宙から見ると空はどう見えるのか?」など、既存の考え方を疑い、深く掘り下げて考える。 |
ラテラルシンキング | 「空は青じゃなくて、実は宇宙人が塗っているんじゃないか?」など、全く新しい視点から問題を捉えようとする。 |
どの思考も、さまざまな場面で役立ちます。
場面によって使う思考を変えたり、組み合わせてみたりすると、より効果的なアイディアを生み出せるでしょう。
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ロジカル・クリティカル・ラテラル
3つのビジネス思考について
ロジカルシンキング研修の目的・身につくスキル
ロジカルシンキング研修を行う目的は、論理的な思考力を養い、それを仕事や日常生活に活かすことです。
ロジカルシンキング研修では、以下のようなスキルが身につきます。
情報の整理・分析能力 | 与えられた情報を整理し、重要な部分とそうでない部分を区別する能力 |
---|---|
論理的な思考回路の構築 | 原因と結果の関係を考え、論理的な思考回路を構築する能力 |
フレームワークの活用 | MECEやロジックツリーなどのフレームワークを用いて、問題を構造化し、解決策を導き出す能力 |
プレゼンテーション能力 | 論理的な思考に基づいて、自分の考えを相手に効果的に伝える能力 |
チームワーク能力 | チームメンバーと協力し、共同で問題解決に取り組む能力 |
ロジカルシンキング(論理的思考)の重要性
ビジネスにおけるロジカルシンキングは、問題解決や意思決定において重要なスキルです。
ロジカルシンキングは、事実に基づいた合理的な結論を導くための筋道を立てた思考法であり、コミュニケーションや意思決定の場で重要な役割を果たします。
また、課題発見力や計画力を向上させ、変化の激しい現代においても適応力を高めることができます。さらに、ロジカルシンキングを身につけることで、分析力やコミュニケーション能力が向上し、業務効率化や提案力の強化にもつながります。
現代社会は、情報過多で変化が激しい時代です。論理的に考え判断し、行動することで、以下のメリットが期待できます。
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ロジカルシンキングを身につける4つのメリット
ロジカルシンキングを身につける代表的なメリットは4つ。
下記のメリットがビジネスシーンでどのように役立つかも、あわせて解説します。
- 自分の考えを分かりやすく伝えられるようになる
- 分析力が向上する
- 原因特定・問題解決力が向上する
- 提案・プレゼン力が向上する
自分の考えを分かりやすく伝えられるようになる
ロジカルシンキングを身につけることで、自分の考えを 構造的・ 論理的に伝えられるようになります。
自分の考えを分かりやすく伝えられるようになることで、上司や同僚との間で誤解やコミュニケーションのズレを防げます。
▶️こんなビジネスシーンで役立つ!
・新規プロジェクトの提案で、根拠に基づいた論理的な説明をすることで、説得力のあるプレゼンテーションができる。
・会議で自分の意見を述べる際、論理的な流れで話をすることで、他のメンバーからの理解を得やすくなる。
分析力が向上する
ロジカルシンキングを身につけると、複雑な問題を分解し、要素に分解して分析する力がつきます。
分析力が向上すると、問題の本質を捉え、より効果的な解決策を見つけられるようになるでしょう。
▶️こんなビジネスシーンで役立つ!
・売上低下という問題に対して、さまざまな要因を分析し、その原因を特定することで、適切な改善策を立てられる。
・新しい市場への参入を検討するさい、市場の現状や競合他社の動向を分析し、成功確率の高い戦略を立案できる。
原因特定・問題解決力が向上する
ロジカルシンキングは、問題の原因を客観的に分析し、論理的に解決策を導き出す力を養います。
問題発生時の対応が迅速かつ的確になり、業務の効率化に繋がるでしょう。
▶️こんなビジネスシーンで役立つ!
・プロジェクトの遅延が発生した場合、その原因を分析し、再発防止策を考えられる。
・新製品の開発において、顧客からのフィードバックを分析し、製品の改善に繋げられる。
提案・プレゼン力が向上する
ロジカルシンキングは、自分の考えを体系的にまとめ、 説得力のあるプレゼンテーションをする力を養います。
新しいアイデアを提案したり、プロジェクトを推進したりするときに、より効果的なコミュニケーションを取れるようになるでしょう。
▶️こんなビジネスシーンで役立つ!
・新規事業の提案書を作成するとき、論理的な根拠に基づいた計画を立てることで、投資家や経営層を説得できる。
・チームメンバーに新しい業務手順を説明するとき、分かりやすい資料を作成し、効率的に伝達できる。
逆にこんな弱点も?
ロジカルシンキングは、問題解決や意思決定において非常に強力なツールですが、万能ではありません。
弱点もあります。
既存の枠組みにとらわれやすい | 論理的な思考は、既存の知識や経験に基づいて行われるため、新しい視点や可能性を見逃してしまうことがある。 |
---|---|
人間関係を軽視する恐れがある | ロジカルな判断は客観的ですが、人間関係においては、感情や人間関係の複雑さといった非論理的な要素も考慮する必要がある。 |
データ不足の場合は判断が難しい | 十分なデータがない状況では、ロジカルな判断が困難になる。 |
変化に対応しにくい | ロジカルシンキングは、ある程度確立されたルールやパターンに基づいて行われるため、状況が変化した場合に柔軟に対応することが難しい場合がある。 |
以上のような理由より、他の思考法(直感や創造性を活用する能力)などと組み合わせることで、より良い判断ができるようになるでしょう。
ロジカルシンキング-代表的な3つの手法
ロジカルシンキングには、大きく分けて3つの代表的な手法があります。
それぞれの特徴と、具体的な図解を用いて解説していきます。
帰納法(きのうほう)
帰納法は、いくつかの個別的事実から一般法則を導き出す手法です。
多くの事例やデータから共通点を見つけ出し、それらを基に普遍的な法則を導き出すことで、新たな発見や仮説を立てられます。
▶️具体例
毎日通勤電車に乗ると遅延する。
友人も通勤電車に乗ると遅延することが多い。
結論:通勤電車は遅延しやすい。
▶️特徴
たくさんの例から法則を見つけるので、発見や新しい考えを生み出しやすい。
ただし、例外が存在する可能性があるため、絶対的な結論とは言えない。
演繹法(えんえきほう)
演繹法は、一般原則から具体的な結論を導き出す方法です。
すでに確立された一般原則(大前提)と、特定の条件(小前提)から、必然的な結論を導き出します。
▶️具体例
すべての鳥は羽を持っている。
スズメは鳥です。
結論::スズメは羽を持っている。
▶️特徴
前提が正しければ、結論も必ず正しい。
確実な結論を導き出すことができるが、新しい発見は少ない。
弁証法(べんしょうほう)
弁証法は、対立する意見や考え方から新たな結論を導き出す方法です。
テーゼ(肯定)、アンチテーゼ(否定)、そしてそれらを統合したシンテーゼ(総合)という三段階のプロセスで思考を進めます。
▶️具体例
テーゼ:早起きした方が健康にいい。
アンチテーゼ:夜更かししても問題ない。
シンテーゼ: それぞれのライフスタイルに合わせた生活リズムにすればいい。
▶️特徴
多角的な視点から物事を捉え、より深い理解を得ることができる。
複雑な問題に対して有効な手法。
ロジカルシンキングを効率的に鍛える4つの方法
ロジカルシンキングを効率的に鍛える方法をご紹介します。
- 分かりやすい言葉で話す
- 客観的に物事を見る
- 研修で鍛える
- フレームワークを使ってみる
分かりやすい言葉で話す
1つ目は、分かりやすい言葉で話すことです。
複雑な概念をシンプルな言葉に置き換えることで、自分の考えを整理し、より深く理解できます。
客観的に物事を見る
2つ目は、客観的に物事を見ることです。
感情に左右されず、事実を客観的に捉えるように心がけましょう。主観的な感情や固定観念を排除することで、ロジカルシンキングが鍛えられます。
研修で鍛える
3つ目は、研修で鍛えることです。
ロジカルシンキングの基礎から応用まで、体系的に学ぶことができるだけでなく、実際のケーススタディやグループワークを通して、実践的なスキルを習得できます。
フレームワークを使ってみる
4つ目は、フレームワークを使ってみることです。
フレームワークについては以下で詳しく解説します。
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トリプルシンキング徹底解説
ロジカル・クリティカル・ラテラル
3つのビジネス思考について
ロジカルシンキングでよく用いられるフレームワーク
フレームワークとは、ある特定の分野や課題に対して、考え方の枠組みや構造を提供してくれるものです。
これらのフレームワークは、問題の性質や解決したい目的に合わせて使い分けることで、より効果的に思考を進められます。
問題の原因を特定するために行うフレームワーク
問題の原因を特定するためには、複雑な状況を整理し、シンプルな要素に分解する必要があります。
この際に役立つのが、「分類」「ラベリング」「構造化」という3つのステップです。
STEP
分類
>問題に関わる要素を、共通点や相違点に基づいてグループ分けする。
>問題に関わる要素を、共通点や相違点に基づいてグループ分けする。
(例)プロジェクト遅延の原因を特定する場合、遅延の原因を「人的要因」「物的要因」「外的要因」など、いくつかのカテゴリーに分ける。
STEP
ラベリング
>分類した各グループに、分かりやすい名前(ラベル)をつける。
>分類した各グループに、分かりやすい名前(ラベル)をつける。
(例)上記の例では、「人的要因」を「人材不足」、「物的要因」を「設備故障」、「外的要因」を「納期遅延」など、より具体的な言葉でラベル付けする。
STEP
構造化
>分類し、ラベル付けした要素間の関係性を図や表などを使って視覚的に表現する。
>分類し、ラベル付けした要素間の関係性を図や表などを使って視覚的に表現する。
(例)マインドマップやフローチャートを使って、各要素間の因果関係や影響度を図示する。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、さまざまなシーンで活用できるフレームワークです。
ある問題や目標に対して、それを構成する要素を樹木のように枝分かれさせて視覚的に表します。
まるで木の幹から枝や葉が伸びていくように、問題を小さな部分に分解していくことで、全体像を把握し、根本的な原因や解決策を見つけやすくします。
ロジカルシンキング研修 カリキュラム例
ロジカルシンキング研修をはじめとする「考え方・ビジネス思考研修」では、論理的思考力や問題解決能力を向上させるための実践的なワークを通じて、効果的な意思決定や説得力のあるコミュニケーションスキルの習得を目指します。
ロジカルシンキング研修 基礎編
論理的思考をテーマにした研修なので、難しい印象を持たれる方も多いと思いますが、研修内ではたくさんのワークショップをご用意しています。ロジカルシンキングの思考方法に慣れていただき、日々の業務に活かせるカリキュラムです。
テーマ | 詳細内容 |
---|---|
1.ロジカルシンキングの第一歩 | ・ロジカルシンキング以前に気づくべき3つの視点 1、思考の枠組み(スキーマ)に気付こう 2、ハイコンテクストの傾向を自覚しよう 3、ローコンテクスト思考のすすめ ・「問題」とは何か? |
2.提案力を生み出す「帰納法」 | ・帰納法とは ・「言われたことしかやらない社員」が生まれるメカニズム ・ワークショップ:今食べたい料理 ・「つまり」と「例えば」の使い分け ・帰納法の実用シーン →不良品やクレーム、ミスなどが重なった時 →メールや文章を書くとき |
3. “正しそう”な結論を確認する「演繹法」の視点 | ・演繹法とは ・演繹法で仮設・提案の妥当性をチェックする ・ワークショップ: ノー残業デーを導入して、残業を削減するか? ・演繹法の実用シーン →提案したり、提案を受ける時 →提案の実行後 |
4.まとめ・総括 | ・ワークショップ:明日からの実践を整理する |
ロジカルシンキングが苦手な人のコミュニケーション研修
「伝えたいことが、ちゃんと上司に届く方法」知りたかったんです!
研修前は(論理的思考=ロジカルシンキング)と聞き、難しそうだと思いました。でも、活用することを前提に、考え方を理解することから丁寧に進む講座内容で、楽しく受講できました。早速、明日から活用してみます!
テーマ | 詳細 |
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1.ビジネスで求められる説得力のある話し方 | ・ロジカルシンキングとは ・ハイコンテクストの傾向を自覚しよう ・ローコンテクスト思考のススメ |
2.コミュニケーションのタイプと目的 | ・コミュニケーションのタイプ 目的の違いが、ズレを生み出す ・あなたが使いがちなコミュニケーションとは? |
3.ビジネスコミュニケーションで押さえるべきポイント | (1)仕事においては目的をおさえて話す (2)目的に対して事実だけを述べる |
4.シチュエーション別ポイント | ①意見を伝えたい、提案したいときの3ステップ ②報告するときは、5つのステップ ③上司と話すときのポイント |
5.自信を持って伝えるために | ・伝え方のコツ |
6.思考の枠組みとは | ・思考の枠組み(スキーマ)=思い込みに気づく ・根拠の無い「思い込み」や「認識」で判断していませんか? |
7.まとめ | ・研修内容を振り返り、ポイントを整理 ・【演習】今日の学びを上司に報告する |
ロジカルシンキング研修|基礎編
ロジカルシンキング研修|実践編
ロジカルシンキングが苦手な人のためのコミュニケーション
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ガイアシステムの研修の特徴
ガイアシステムの研修の主な特徴を3つご紹介します。
スキル別・ニーズに合わせて研修をオーダーメイド
ガイアシステムの研修は、企業のニーズや社員のレベルに合わせて、カリキュラムをカスタマイズできるのが大きな特徴です。既存の研修方法にとらわれず、それぞれの企業に合わせた研修を企画します。
対話交流がメインの研修
一歩的な講義ではなく、受講者との対話交流形式がメインの研修なのも特徴の1つです。対話形式であることで、集中力を持続できたり、より深い学びができたりと、さまざまなメリットがあります。
階層別(対象者別)の研修・オンライン研修もできる
新入社員から管理職まで、それぞれのレベルに合った階層別研修や、時間や場所にとらわれずにできるオンライン研修も完備しています。企業のニーズや環境に合わせて、柔軟に対応します。
ロジカルシンキング研修 参加者からの感想
この研修ではロジカルシンキングのフレームを学び、複雑な問題を整理するスキルが身につきました。特に、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)という考え方が役立ち、クライアントへの提案がより明確になりました。
ラテラルシンキングのセッションが非常に印象的でした。新しいアイデアを生み出すための視点を広げることができ、チームでのブレインストーミングが活性化しました。これにより、プロジェクトの創造性が大幅に向上しました。
問題解決の手法を学ぶことで、チームの課題に対するアプローチが変わりました。クリティカルシンキングを用いて、根本原因を特定し、効果的な対策を講じることができるようになりました。
ロジカルシンキング研修を通じて、技術的な問題を論理的に分析する力がつきました。特に、情報を整理して結論を導く手法が、日常業務に役立っています。今後もこのスキルを活かしていきたいです。
初めての研修でしたが、ラテラルシンキングの考え方が新鮮でした。固定観念にとらわれずにアイデアを出すことの重要性を学び、今後の業務においても積極的に活用していきたいと思います。
この研修では、ポジティブシンキングの技術も学びました。ネガティブな状況でも前向きに考えることで、チームの士気を高める方法を理解しました。職場の雰囲気を良くするために、これを実践していきます。
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ロジカルシンキング研修についてのよくある質問
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