企業研修の目的・種類・手法について|社内研修を見直しませんか?
新入社員研修やスキルアップ研修など、研修が充実している企業はとても多くあります。ですが、研修の内容が毎年同じだったり「恒例行事」のようになってしまっており、「とにかくやっている」だけになっていませんか?
「なぜ研修を行っているのか」「研修にはどんな意味があるのか」は、受講する側だけでなく企画・実施する側も考えなければなりません。この記事を通して、企業研修を見直してみましょう。
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企業研修とは
「企業研修」とは、社員の成長を目指した学びの機会となる研修です。職業能力開発促進法により、企業は社員のスキルや能力開発だけでなく、キャリア設計の支援も義務付けられています。
企業研修では、階層や目的に応じて主に以下のような研修が行われます。
新入社員 | 業務に必要なマナー |
中堅社員 | リーダーシップや若手育成の方法 |
管理職層 | 最新のメンタルヘルスに関する知識 |
厚生労働省の『令和3年 能力開発基本調査』によると、企業側が企業研修を通じて社員に求める能力やスキルは、以下の通りです。
管理職以外の50歳未満の正社員 | チームワーク、協調性・周囲との協働力 |
50歳以上の正社員 | マネジメント能力・リーダーシップ |
企業研修は、上記のような、会社に必要な社員の能力成長を促し、社員同士の結束を強める効果も期待されています。
企業研修の目的
企業研修の目的は、主に3つあります。
- 社員の学びの機会提供
- 時代にあった人材の育成
- 理念や方向性の統一
下記で、それぞれの目的を深堀します。
社員の学びの機会提供
企業研修は、社員の人材育成を行うための「学びの場の提供」です。
企業研修には、役職や職種などに必要なスキルを学ぶことによって意識レベルのアップや生産性向上を目指す【人材開発】と、ビジョンの共有などを行うことで企業にとって必要な人材を育てる【組織開発】の二つがあります。これら2つの研修を、就業年数や役割によって学ぶ内容や専門性を変えて行っていく必要があります。
理念や方向性の統一
研修においては、社員の一体感を高めることも重要な目的です。企業理念や組織としての方向性を理解しておくことで、社員それぞれの働き方や行動の指針が生まれます。ゴールに向かうためのやり方は異なるとしても、目指しているところがズレていなければ組織としての一体感が生まれますし、理解し合うことができます。
時代にあった人材の育成
これまでの企業研修では、「個人の成長」は「組織の成長」として考えられてきていましたが、最近では企業内での「個人」が重視されるようになってきています。企業に属する人としてのスキルアップだけでなく、「その人そのもの」を高めていくことも考えておくと良いでしょう。
企業研修の種類
企業研修は、「階層別」「業務別」「スキル別」に分けることができます。
階層別研修
一般社員や管理職、経営者などの役割や階層に分けて行う研修が「階層別研修」です。
業務に対する認識や方向性、目線などは異なるため、それぞれの段階によって研修を行い学ぶ必要があります。
階層別研修は、「新入社員研修」や「管理職研修」などがあります。
社内研修をあまり行っていないところでも、こういった階層別研修は行っているという企業は多いのではないでしょうか。
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業務別研修
組織の中にはさまざまな業務があり、社員によって関わる内容が変わります。そのため、それぞれの業務ごとに自社独自のスキルを伝えたり情報を共有するために行われます。
例えば、営業担当であれば営業活動のためのトークやコミュニケーション、リスクマネジメント、組織としての方向性などを研修を通じて身につけることで、それぞれが営業スキルを高め、全体のレベルが上がることで会社の売上につながります。
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スキル別研修
「メンタルヘルス」や「キャリアデザイン」「ロジカルシンキング」など、社員それぞれに必要なスキルや、「マネジメント」「リーダーシップ」「ハラスメント」などの管理職として求められるスキルを、それぞれ必要に応じて学んでもらうのがスキル別研修です
階層別や業務別のように、必ず受けなければならないものとは違って自主的に受けることが多いことが特徴です。
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企業研修の具体的なトレンドと内容例をご紹介しますので、あなたの企業にどの内容がマッチするかを検討してください。
- リーダーシップ研修
- マネジメント研修
- マイクロラーニング
- ハラスメント研修
- ロジカルシンキング研修
- コミュニケーション研修
リーダーシップ研修
リーダーシップ研修は、将来のリーダーや管理職候補者に向けて行われるトレンドの一つです。
研修では、優れたリーダーシップスキルの開発と、チームの指導力を高めるための方法や戦略を学びます。チームでの仕事がメインとなってきているこの時代に必要な能力です。
- コミュニケーション
- モチベーションの向上
- 問題解決能力の強化
など、リーダーとして必要なスキルの習得を促す内容となっています。
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マネジメント研修
マネジメント研修は、組織内で管理職を担当する人々に焦点を当てた研修です。
- 効果的なプロジェクト管理
- 目標設定と評価
- チームビルディング
など、マネージャーとしての役割を果たすために必要なスキルを学びます。マネジメント能力は組織の成長を促すために必ず必要です。
リーダーシップやコミュニケーション能力の向上、時間管理や優先順位付けのスキル強化などが含まれ、組織全体の成果を最大化するための手法が提供されます。
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マイクロラーニング
マイクロラーニングは、短時間で効果的な学習を実現する方法です。全体研修よりも効率よく取り組めるため、注目されてきています。
何回かに細分化したコースや1回5分ほどのビデオ形式の学習モジュールを活用し、日常業務の合間に取り組めます。
また、トピックごとに分かれた短いレッスンが多いため、それを通じて、具体的なスキルや知識の習得が可能です。
自己学習の促進や効率的な情報共有に役立ち、個々の学習スタイルに合わせた柔軟性を提供します。
ハラスメント研修
ハラスメント研修は、職場での健全な環境を構築するために重要視されている研修です。
ハラスメントトラブルは年々大きな問題となる事例も増えています。しかし、厚生労働省の『令和2年 職場のハラスメントに関する実態調査について』からもわかるように、ハラスメントを会社側が認識した後でも、特に何も対応をしていない企業が多いのが現状です。
問題があいまい化されることも多く、大きな問題になる前に、個々が適切な知識を学ぶ必要があります。また、ハラスメントを受けた人は仕事に対する意欲が減退する傾向にあり、見て見ぬふりをし続けていると、企業としての成長も後退していくでしょう。
ハラスメント研修では、従業員の意識向上や異なるバックグラウンドを持つ人々との適切なコミュニケーションを促進するため、多様性と包括性を尊重するスキルが強化されます。
パワーハラスメント防止研修
研修内容と特徴 “これってZoomハラスメント(ズムハラ)ですよね!?” 次々とうまれる新しいハラスメント。パワハラ防止法も施行される中、実効性のあるパワハラ防止策…
ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキング研修は、論理的思考能力を養い、問題解決や意思決定において効果的なアプローチを身につけるための研修です。
研修では、
- 分析力の向上
- データの正確な解釈
- 仮説の構築
- 論理的な議論の展開
などが学べます。
参加者は、情報の整理・評価・優先順位付け・効果的なアクションプランの策定などを通じて、より効率的かつ合理的な意思決定を行うスキルを磨きます。意思決定の円滑化・言葉に説得力が出るなどの嬉しい効果が得られるでしょう。
社員全員がロジカルシンキングを養えば、組織としての大きな成長が期待できます。
ロジカルシンキング研修|基礎編
説得力を持ち話をしたい方へ 研修内容と特徴 本研修では、まずロジカルシンキングを活用する前提となる考え方について理解をしていただき、その上で論理的思考の基本的…
コミュニケーション研修
コミュニケーション研修は、円滑な職場環境の構築と相互理解を深めるために重要な研修です。
研修では、効果的なコミュニケーションスキルの習得が目指されます。
- 適切なフィードバックの提供
- 傾聴と共感のスキル
- 難しい会話や対立解決のテクニック
などを学びます。
参加者は、わかりやすく具体的な伝え方を身につけ、コミュニケーションの誤解や摩擦を減らし、協力と協働を促進する能力を養います。
企業としての大きなミスのもとになりかねる「伝達ミス・報告もれ」を予防することにも役立つでしょう。
コミュニケーション研修|カリキュラム
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企業研修の手法
企業研修の手法には、いくつかの方法があります。その中でもよく使われる手法を以下でご紹介します。
- OJT(On the Job Traning)
- Off-JT(Off the Job Traning)
- eラーニング・オンライン研修
- 自己啓発
OJT研修(On the Job Traning)
OJTは、通常の業務を通じて行う研修です。座学と合わせて日々の業務に即した内容を、現場の経験者や上司から個別に指導してもらえるため、研修の効率や効果があります。教えられる方も教える方も学ぶことができるので、双方にメリットがあります。
OJT研修で「先輩トレーナー」の育成を成功させるポイントとは?
新入社員を育成するには、OJT研修(On-the-Job Training)が効果的です。実際にOJTを新人研修に取り入れ、成果を出している企業は数多く存在します。半面、「OJT教育が…
Off-JT(Off the Job Traning)・集合研修
いわゆる、集合研修です。同じ役割や勤務年数の社員が集まり、座学や講義、体験学習などを行います。企業理念や方向性、知識を身につける必要がある内容を、体系的かつ理論的に学ぶ場合に適しています。
集合研修であっても、ワークショップやロールプレイなどを行うこともあるため、集合研修によって研修後の行動を促すような内容を意識すると良いでしょう。
eラーニング・オンライン研修
eラーニングは、インターネット環境があれば「どこでも・いつでも」学ぶことができる研修です。PC、スマートフォン、タブレットを活用して動画を視聴しながら学ぶため、何度も繰り返すことができるため知識が定着しやすくなります。
ただし、受講者に全てが委ねられるため、その後のフォローを丁寧に行うことが必要です。
オンライン研修とe-ラーニングの違いは?メリットとデメリットを比較!
オンライン研修とe-ラーニングはどちらもモニターを見ながら学習するスタイルなので、似たようなものではないかと考えている方が多いでしょう。たしかに、どちらもオン…
オンライン研修のやり方は?成功させる進め方を7つのステップで紹介
新型コロナウイルス感染症の拡大や働き方改革の促進により、1ヶ所に人を集めて行われる集合研修ではなく、自宅にいながらモニターを通して教育できるオンライン研修が高…
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自己啓発
自己啓発は、社員が個人的にスキルアップを行うものです。本を読んだりセミナーに参加するなどして、自分を高めていくことになります。もちろん、プライベートな時間を使用するため、「やる・やらない」は自由です。
企業によっては、こういった「自己啓発」にかかる費用や書籍購入費用を福利厚生としてサポートしている企業があります。会社に良い影響を及ぼしてくれることもあるので、余裕があれば積極的に促すと良いでしょう。
企業研修の実施方法
企業のニーズや目的によって、選択すべき企業研修の実施方法が異なります。どちらの方法を選択する場合でも、研修の成功にはリーダーシップの関与が不可欠です。上司や管理職は、研修の重要性を伝え、参加を奨励し、学びの成果を評価する役割を果たすことが求められます。
また、継続的な学びの文化を醸成するために、研修プログラムの評価と改善を行い、最新のトレンドやニーズに合わせてアップデートすることも大切です。
下記で
- 社内研修
- 外部研修
の特徴をご紹介します。
社内研修で行う場合
社内研修では、企業内の施設や場所を利用して研修を実施します。組織のカルチャーを育みたい企業や部門内の連携を強化したい企業に向いています。
参加者は自社のメンバーであり、組織文化や価値観に基づいた学びが可能です。特定のテーマやニーズに合わせたカスタマイズが容易であり、内部のエキスパートやトレーナーが講師を務めることもあります。社内研修は、チームの一体感や相互のつながりを強化する効果があります。
ただし、注意点としては、適切な研修スペースの確保、社内トレーナーの質やスキル向上のための投資が必要です。また、異なる部署や階層間の交流を促す工夫や、参加者の積極的な参加とアクションプランの具体化を重視することが重要です。
外部研修で行う場合
外部研修では、主に外部の研修機関やコンサルタントと提携して研修を実施します。新たな視点や業界標準に触れたい企業や特定のスキルや知識の習得を目指す企業に適しています。
参加者は自社以外の組織や業界からも集まるため、異なる視点やネットワーキングの機会が得られるでしょう。
外部研修は、専門的な知識やスキルの習得、業界のベストプラクティスの学びなどを提供します。
注意点としては、費用やスケジュールの調整が必要なことや、外部のトレーナーや研修プロバイダーの信頼性や実績を確認することが重要である点です。また、参加者が研修後に学んだことを実践に移せるよう、内部でのフォローアップや応用課題の設定を行う必要があります。
ガイアシステムがオススメする人気な企業研修
近年、「自社の研修を見直したい」「さらにブラッシュアップしたい」というご相談をいただくことがあります。企業研修は、時代の流れに合わせて常に見直していくべきものです。ここからは、これからの時代を乗り越えるためにオススメしたい研修をご紹介します。
ロジカルシンキング研修
ロジカルシンキングとは、物事を「根拠」と「結論」にわけて理論的に筋道を立てて考える思考法です。自分が伝えたいことを冷静かつ的確に相手に伝えることができ、コミュニケーション上のトラブルを防ぐことにつながります。
人気のポイント
- ワークショップメインで実践につながる
- 伝えたいことが相手に届くようになる
- 提案やプレゼン力が向上する
ジョブアサイン研修
人気のポイント
- 仕事の振り方がわかり、クオリティが上がる
- 部下が育って仕事に余裕ができる
- 部下のモチベーションが大きく変わる
管理職の皆様に身につけていただきたいのが、「ジョブアサイン」です。
ジョブアサインとは、「社員それぞれに、どの業務を任せるか」という職務の振り分けのことです。
いわゆる「適材適所」に関するスキルなのですが、上司の振り分け一つで社員のモチベーションは左右され、場合によっては退職や精神的に疲れてしまうこともあります。
研修を通じて、しっかりと身につけておくことをオススメします。
ジョブアサインスキル研修|部下の仕事の成果は、上司の仕事の振り方次第!
リーダーシップ研修シリーズ【ジョブアサインメント前編】 研修内容・研修概要 リーダーシップを発揮しながら理想のマネジメントをする上で、ジョブアサイン力は重要な…
営業力研修
どんな企業でも、何かしらの営業活動を行うことになります。これまでのような営業活動が難しい現代ですから、「今だからこそ」学ぶべきスキルをしっかり身につけておき、企業としての営業力を底上げしたり、売上アップを目指しましょう。
人気のポイント
- 営業力がアップ!売り上げにもつながる
- 最新の営業情報が手に入る
- 長期的な営業手法が身につく
「インサイト営業で成約率が高まる!必要な3つのスキルを身につけよう」
オンライン商談力向上研修|営業力、商談力向上
オンライン商談力向上研修! 研修内容・研修概要 新型コロナウイルスの影響を受け、オンラインを使った営業活動(オンライン商談)が定着しつつあります。「オンライン…
セルフマネジメント研修
セルフマネジメントは、目標や日々のタスク、スケジュールの管理をはじめとした「自己管理」を学ぶための研修です。自分を理解することや行動を習慣化することなどから学んでいくことで、確実にスキルを身につけていただきます。
人気のポイント
- 自己管理ができるようになり、目標達成が叶う
- 冷静な判断が得意になる
- 時間管理がうまくなり生産性が向上する
セルフマネジメント研修|スキルの習得方法と活かし方・カリキュラム紹介
セルフマネジメントスキルは、現在、働き方の多様化や評価基準が変わりつつある中で求められており、会社から求められる役割を果たし、人材としての価値を高めるために…
より良い企業研修を実施するなら
組織によっては、全ての研修を自社内で企画・実施しているのではないでしょうか。ですが、社員の負担を減らしつつ専門的な研修を受けるなら、専門企業への依頼を検討しましょう。企画や準備からアフターフォローまでを丁寧にサポートしてもらえるほか、第三者目線や新しい知識などを身につけられ、負担なく各自に研修を行うことができます。将来的に内製化を考えておられる場合でも、まずは外部企業に依頼することがオススメです。
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