ファシリテーションのコツは？効果や必要なスキルを詳しく解説！

会議の質を上げるために、ファシリテーションを起用するケースが多くあります。
しかし、なかにはファシリテーションを任されたものの、上手にできるか不安に感じている方もいるのではないでしょうか。

さまざまな議論が飛び交う会議でファシリテーションを成功させるためには、コツやスキルを把握しておくことが重要です。この記事では、ファシリテーションの役割や必要なスキル、成功させるためのコツについて詳しく紹介します。

ファシリテーションとは

ファシリテーションとは、会議やミーティングを効率的かつ生産的に進めるようにサポートすることです。
参加メンバーに会議の論点を示したり、問いかけたりしながら、参会者の合意形成に向けたサポートを行います。

また、似ている言葉のファシリテーターは、会議やミーティングの場でファシリテーションを行う人のことです。ファシリテーターは、話の流れを見極めながら参加者から意見を引き出し議論を円滑に進め、さらには最終的に合意を得る役割も求められます。

なお、ファシリテーターと司会者は混合されることも多いですが、司会者は会議の進行を滞りなく進めることが主な目的です。

ファシリテーションの効果やメリット

ファシリテーションは、会議参加者の意見を集約して合意形成を導くことが主な目的ですが、それ以外にもさまざまな効果やメリットがあります。

ここでは、ファシリテーションの効果やメリットを紹介します。

1. 会議の生産性を高める
2. 新たなアイデアが出やすくなる
3. 会議時間の短縮につながる
4. 次に取るべきアクションが明確になる

会議の生産性を高める

ファシリテーションは、会議のムダな時間を取り除いて生産性を高められるメリットがあります。

なぜなら、会議が円滑に進まなくなったり、本題から反れたりしてもファシリテーションで軌道修正できるためです。

特に会議中は、話題が議題から離れて脱線することや、特定の議題に時間を費やしすぎることが多くあります。

このような状態になった場合も、ファシリテーションが機能していれば、議題に沿った活発な意見交換が可能です。

新たなアイデアが出やすくなる

ファシリテーションのメリットは、さまざまな立場や考えを持った人が意見を交換し、他人の発想に触れることで新しいアイデアが出やすくなることです。また、ファシリテーションが発言しやすい雰囲気を作ることで、人前での発言が苦手な人からも貴重な意見が引き出せます。

その結果、これまで表に出にくかったアイデアが生まれたり、独創的なアイデアが生まれることもあるでしょう。

変化の激しい現代社会において市場のニーズが移り変わるスピードは速く、次々に新しい商品やサービスの開発が必要です。新しいアイデアを引き出しやすいファシリテーションは、企業の成長にも欠かせません。

会議時間の短縮につながる

ファシリテーションは、会議時間の短縮につながるメリットもあります。なぜなら、ファシリテーションでは時間も管理されるため、会議が長引くことやムダな議論を減らせるためです。

議論が迷走しそうになったときも必要に応じて舵取りができれば、合意形成を得やすくなって会議時間の短縮にもつながるでしょう。

また、会議時間の短縮は人件費の節約費にもつながり、仮に30分短縮ができれば、『30分×会議参加者数』のコストカットになります。

さらに、会議で陥りやすい『長引く、決まらない、実行されない』などの状態を打破したいときにも、ファシリテーションは有効です。

次に取るべきアクションが明確になる

ファシリテーションのメリットは、会議で導き出された結論に対し、次に取るべきアクションが明確になりやすいことです。

会議が円滑に進んで素晴らしい結論が出たとしても、具体的な行動に反映されなければ意味がありません。

このケースだと会議をして満足というムードが漂いますが、ファシリテーションが機能していれば、次に誰が何をするかのアクションが明確にできます。

ファシリテーションのコツ

ファシリテーションを適切に行うためには、ファシリテーターの技量が必要です。ここでは、ファシリテーションのコツを紹介します。

1. アジェンダを作成する
2. 会議のルールを明確にする
3. 中立的な立場に徹する
4. 予想される障害に対する事前準備をする
5. 目的とゴールを明確にする
6. 安心・安全な議論の場を作る
7. 会議内容を記録する
8. 発言者の話を整理して伝え直す
9. 発言者が偏らないようにする

アジェンダを作成する

ファシリテーションを適切に行うためには、アジェンダ作りが重要になります。

アジェンダとは会議で議論する議題の表や計画など、その会議で取り扱う内容をあらかじめ整理した資料のことです。

アジェンダがなければ参加者は何を話し合う場なのか分かりにくく、議題が不明であるため資料を用意することもできません。

そのまま会議を進めてもやみくもに意見が述べられるだけとなり、適切な結論が出ず失敗に終わってしまう可能性が高くなります。

会議の進行をスムーズにするためにも、資料を見ただけで何のための会議で何を話し合うのかが明確になるアジェンダを作成しましょう。

会議のルールを明確にする

ファシリテーションのコツは、会議進行の妨げを未然に防ぐために、会議のルールを明確にしておくことです。

ただし、設定するルールは会議ごとに変えることがポイントで、毎回同じルールだと適切な議論ができない可能性があります。

例えば、『アイデア出しの会議なら全員1回は発言』『何かを決める会議なら互いの意見を尊重する』などです。

意見が多く出ることが予想されるときは、発言は1人1回1分のように決めておくとよいでしょう。

作成したルールについては参加者と内容の合意を事前に取っておき、会議中も見えるように張り出しておくとルールを守る意識が高まります。

中立的な立場に徹する

ファシリテーションのコツは、常に中立的な立場に徹しながら会議を進行していくことです。

ファシリテーターが賛成派もしくは反対派についてしまうと、参加者から反感を買うことになって合意形成がスムーズに進まない可能性があります。

参加者の発言に対して「明らかに違う」と感じても、ファシリテーターが賛成や判断することはNGです。

このような場合は自身で判断するのではなく、他の参加者に発言の真意が伝わるように掘り下げる必要があります。

自分の意見は表に出さず、参加者の発言内容を分析しながら中立的な立場を守りましょう。

予想される障害に対する事前準備をする

ファシリテーションのコツは、予想される障害に対し根回し等で事前準備をしておくことです。

根回しと聞くとネガティブな印象を持つ方も多いかもしれませんが、会議を円滑に進めていくためには欠かせません。

例えば、会議でいつも意見が出ないような場合、事前に発言してくれる人に声をかけておき、会議中に振ることで場の雰囲気を変えることもできます。

ただし、すべての参加者に根回しすることは時間の制約もあるため、会議のキーパーソンに絞るようにしましょう。

目的とゴールを明確にする

ファシリテーションのコツは、目的とゴールを明確にし、議論が脱線しそうになったときには軌道修正することです。

議論に熱が入ってくると、会議の目的や達成すべき結論を見失いそうになることもあるでしょう。

このように場が過熱した状態であっても、目的やゴールに沿って進行していけば、大きく脱線することを防げます。

目的やゴールが明確になっていないと、その場の雰囲気に流されてしまい、議論が停滞してしまう可能性があるため注意しましょう。

安心・安全な議論の場を作る

ファシリテーションのコツは、会議の参加者全員が安心して意見を出せる議論の場を作ることです。

会議の場といっても普段の役職や年齢、立場などを意識してしまうと、思うように発言できなくなる参加者もいます。

本音がいえないこともあるため、中立的な立場で参加者が安心して発言できる雰囲気を作りましょう。

例えば、順番に発言の機会を与えることや、ネガティブな発言があった場合に肯定的に言い換えてバランスを取ることもコツです。

会議内容を記録する

ファシリテーションのコツは、会議内容を記録して参加者が他メンバーの発言を確認できるようにすることです。

会議内容の記録によって同じ議論を何度も繰り返すことを防ぎ、重要な内容をピックアップして議論をスムーズに行うことができます。

ホワイトボードや模造紙などを使って記録していくと、会議進行中でも会議内容を振り返ることが可能です。

参加者の一語一句をすべて記録することは難しいため、要点だけを記録してまとめることもポイントになります。

発言者の話を整理して伝え直す

議論の場において発言者の話がわかりにくい場合は、話を整理することもファシリテーションのコツです。

会議を進めていく中では、「この人の発言の内容はいいけど伝わりにくい」というケースも多くあります。

このような場合、内容をわかりやすく整理して全員に伝え直すことで、発言者も理解してもらえたことに対する安心感にもつながるでしょう。

しかし、発言者の話をわかりやすく言い換えるためには高いスキルを必要とし、間違った解釈をして伝え直してしまう可能性がある点には注意が必要です。

発言者が偏らないようにする

ファシリテーションのコツは、発言者が偏らないようにすることです。

さまざまな役職や立場の人が参加する会議では、発言力がある立場の人ばかりが意見をするようなケースもあります。

発言が偏ってしまうと会議の意味がなくなるため、できるだけ多くの人が発言できるように調整することも大切です。

ファシリテーションのスキルを向上させる研修カリキュラム

ファシリテーションのスキルを向上させる方法として、ファシリテーション研修があります。
ファシリテーションには理解力や質問力、傾聴力、表現力など、各プロセスにおいて高度なスキルが必要です。

これらのスキルは日常生活ですぐに身につくものではないため、研修を受けてスキルアップを図ることも方法の一つです。ファシリテーション向上の研修カリキュラムは様々な分野で応用できるスキルであり、会議の場以外でも役に立つでしょう。

下記、ファシリテーションのスキルを向上させる研修カリキュラムの事例をご紹介します。

会議進行ファシリテーション研修 ｜８割の上司ができていない!?基礎スキル

テーマ	詳細
１．悪い会議の事例	・他社の事例から、社内の会議の課題を抽出 ・失敗の原因は「準備」と「進行力（ファシリテーション力」
２．会議の効果とは	・ビジネスシーンで活躍する「場づくり」とは？ ・会議は“部下の仕事の精度を一気に高める”効率的な機会作り
３．会議の種類	・「定型会議」と「創造会議」目的とアジェンダの違い
４．理想の会議をするために“基本の準備”	・目的の明確化・議題整理 ・会議シミュレーションの実行 ・ワークショップ 　会議シミュレーションを作成してみよう
５．会議進行力の自己診断	・実践ロールプレイング 　デモ会議の進行→実践を通して自身の進行力を診断する

会議を成功に導く“事前準備”と“進行テクニック”

本研修では、
・開始前に“会議の着地イメージを8割決める”事前準備
・会議を通して会議前にあった結論の精度を高める方法
・会議を通して部下が成長するための進め方など、

会議進行力を高めることで、生産性の高い会議を主催できるようになることを目指します。
研修の詳細はこちら

テーマ	詳細
１．事前準備７つのメソッド	・会議開始前に着地イメージを8割決めるが鉄則 ・事前準備の７つのメソッドとは？ →効率の良い会議に、根回しは必要か？ →会議で部下を成長させるためには？ →適正と役割分担について
２．会議を成功に導く進行テクニック10カ条	・参加者全員が下を向いている会議に慣れていると致命傷!?進行スキルアップの手法 ・会議の雰囲気を決めるポジショニング ・参加者が主体的に発言する進行ポイント ・会議の時間帯によって使い分ける 　オープンクエスチョンとクローズクエスチョンの使い分け
３．ケーススタディ	【こんなときどうする!?】 　ネガティブな意見や会議の目的に反した参加者 【こんなときどうする!?】 　平行線を辿ったときのリーダーシップ
４．会議の成功は終了後の“タスク管理力”	・ITツールの活用と会議後のチェックポイントとは
５．総括	・実践ロールプレイング デモ会議の進行／実践を通して自身の進行力を診断する

ファシリテーション研修を受けるなら、ガイアシステムがおすすめです。

会議の基本を学びたい人やファシリテーターとして自信がない人、実践的なスキルを学習したい人など、幅広く対応しています。

ワークショップやロールプレイングにも取り組むため、明日の会議からすぐに活かすことができます。ぜひこの機会に、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

ファシリテーションは、会議を円滑に進めていくうえで欠かせません。ファシリテーションはさまざまな立場の人が集まる会議を回さなければならず、そのためにはさまざまなスキルが必要です。

経験やスキルが足りないとファシリテーションが上手く機能せず、会議が失敗に終わる可能性もあります。

そんなときにおすすめしたいのが、ガイアシステムのファシリテーション研修です。実践的なファシリテーションスキルを習得し、明日からの会議で活かせる即戦力を身につけることもできます。
まずは、お気軽にお問い合わせください。