評価者研修は誰が受けるべき?業務に活用できるポイントなどを解説!
人事評価制度は、正しく運用することで従業員を昇給・昇格や仕事に対するモチベーションや生産性の向上に繋がります。しかし、公平かつ正しい運用ができなければいくら良い人事評価制度を構築しても意味はありません。そこで、自社の人事評価制度を効果的に運用し、評価者としてのスキルを高めるために必要なのが「評価者研修」です。
今回は、評価者研修の目的や内容、研修を通じて受講者が身につけられるスキルなどを解説します。
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評価者研修/考課者研修とは
まずは、「評価者研修とは何か?」「どういった役割や立場の人が受けるべき研修なのか?」を知りましょう。
研修名から「人事担当者や管理職が受けるべきもの」と思われがちですが、実はそうではありません。
評価者研修とは、人事評価を行う役割の人(評価者)に対して行う研修です。人事評価の仕組みや評価方法、評価基準などの理解を深めることで正しく公平な評価を行うスキルを向上させるための研修です。「人事評価研修」や「考課者研修」と呼ばれることもありますが、その内容の基本的な部分は共通しています。
評価者研修は、人事評価の項目や内容、評価するための視点が企業によって異なるため自社オリジナルのカリキュラムを組み、それぞれに合わせたスタイルの研修を行うことが効果的です。
評価に対する基本的な考え方や視点に対して、あえて外部の考え方を取り入れることででより“公平な評価”を行うためのスキルアップが期待できます。
このような課題はありませんか?
- 評価者研修の必要性はわかるが自社に必要かどうかが判断できない
- 評価者研修は毎年行っているが実務と内容が一致しているかどうかが不安
- 評価者研修をどのように行えば良いかわからない
- 評価者の経験不足が否めない
- 評価制度に対して不満を持つ社員が目立つ(増えてきている)
- 構築した評価制度がうまく運用できていない・社員の成長につながらない
上記のようなお悩みや課題がある経営者や管理職、担当者の方は、ぜひ評価者研修の受講・企画や実施をご検討ください。
研修対象者は?
評価者研修は、人事評価を行う立場である管理職や人事担当者、経営に携わる人が主な対象者となります。
また、人事評価制度を構築・運営する人も参加すると良いでしょう。
前述した通り、自社の社員を評価する立場であっても経験が少なかったりスキルが低かったりすることによって「評価される側」の不安や不満は起こります。
最終的にはモチベーション低下や信用の失墜、再会の場合には人材の流出や業績悪化につながるため、人事に関わる全ての人が受けておくべき研修と言っても過言ではありません。
なお、少し違う視点になりますが、人事担当者だけではなく「被評価者」も簡易的に研修を受けられるようにすることで、お互いが不信感を持たずに日々の仕事に臨むことができるという効果も期待できます。
評価者研修のカリキュラム例
テーマ | 詳細 |
---|---|
1.評価制度を実施する目的 | ・人事評価の目的 ※評価制度の目的は各企業様の実施目的に合わせて内容を変更 ・放置しても人は育たない ・P(Production)とPC(Production Capability)バランス ➢経営には“成果”と成果を生む“人材育成”の両方が欠かせない ➢評価制度は人材育成を促すツール |
2.評価者に求められるスキル | ・人事評価制度に必要な4つのスキル 1、目標設定スキル 2、観察スキル 3、評価スキル 4、フィードバック面談のスキル |
3.目標設定のスキル ~評価のズレは目標設定の精度の低さから生じる~ | ・目標設定のスキルとは ・評価できる目標を設定するスキル~SMARTチェック~ ・ワークショップ:曖昧な目標をSMARTな目標に変える |
4.観察のスキル ~評価のズレは観察の精度の低さから生じる~ | ・観察のスキルとは ・評価制度の上手くいかない組織と上手くいく組織の傾向 ・力の入れどころ ・ワークショップ:あなたの観察力 |
5.評価のスキル ~評価を体験する~ | ・評価のポイント ・7つの評価エラーと対策 ・ワークショップ:ケースを用いた模擬評価演習 ・ワークショップ:グループ討議 |
6.フィーバック面談のスキル ~相手に伝わるフィードバックのポイント~ | ・部下に伝わらないフィードバック ・上手なフィードバックのポイント |
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評価者研修の目的
ここからは、評価者研修の目的にはどのようなものがあるかを解説します。
様々な目的がありますが、主に以下の3つを挙げることができます。
自社の評価制度を正確に理解できる
人事担当者をはじめとした従業員を評価する立場になるためには、自社の評価制度や項目の内容一つひとつを、正しく理解しておかなければなりません。
自分の言葉で説明できるよう噛み砕いて理解しておくことは、「評価される側」との信頼関係を構築するために重要であり、バイアス(心理的な歪みや偏り)が働かないようになることにもつながります。
正しく公平な評価能力が身に付く
評価者研修では、評価制度の目的や重要性、評価基準・項目、手順などを詳しく学びます。これらを詳しく学ぶことで、評価者が正確な評価を公正かつ公平に行えるようになり、人材育成と適材適所に人材配置を行うことにつながります。
評価者も人間であるため、評価に対して心理的な偏り(バイアス)が働いてしまうことが考えられます。評価の偏りを防ぐことで公正・公平な人事評価が実現できます。
従業員の育成につながるスキルが身に付く
評価者は、従業員それぞれを基準に則って評価していれば良いわけではありません。「さらに良くなるためにはどうすれば?」「どう改善すれば良いのか?」を具体的に伝えることが必要になります。
そのためには、適切なフィードバックや面談スキルが重要であり、制度の理解や評価方法を身につけることに加え、従業員とのコミュニケーションや“相手に受け入れてもらえる言葉選び”などをはじめとしたスキルが必要であることを覚えておきましょう。
人事評価において起こりやすいエラーとは
人事評価は人間が行うものであるため、バイアス(心理的な歪みや偏り)が生じてしまうことがあります。
人事評価において発生しやすいバイアスは以下の通りです。
寛大化・厳格化
「寛大化」とは、「部下からの反発を恐れる・よく思われたい」という思いから全体的に甘い評価をつけてしまうことです。また、部下の仕事を見ていないために評価ができないことから、甘くつけざるを得ないというケースもあります。
「厳格化」は寛大化の逆であり、評価することを意識しすぎることから不当に厳しい評価を行ってしまうことです。
仕事スキルが高い人や経験値がある人ほど起こしてしまうものであり、自社が定めた評価基準ではなく「自分」を基準にしてしまうため注意が必要です。
ハロー効果
ハロー効果は、その人の“直近の印象”を強く感じると、その印象が他の評価に引きずられてしまうものです。実際の成果やスキルとは関係ない評価がされてしまうため、正しく公正な評価は行えません。
中心化・極端化
「中心化」は、全体的に無難な評価をすることで、当たり障りなくばらつきがないことから、5段階評価の3、3段階評価の2など、中心に偏ってしまうものです。評価される人との人間関係や部下からの反発を避けるために発生してしまうバイアスです。
「極端化」は、中心化の逆の傾向が起こります。評価が中間に偏ってしまうことを恐れて「評価をばらつかせる」ことを意識してしまうことで、それぞれの正当な評価よりも数値の割り振りバランスを意識してしまうために起こります。
逆算化
逆算化とは、評価手順が逆になってしまうことです。
最終結果(昇給・賞与・昇格)を先に決めてしまい、それぞれの評価を帳尻合わせして評価してしまうため、プロセスよりも個人的な印象が優先されてしまいがちです。
期末誤差
期末誤差は、評価期間の後半(もしくは最後)の印象的な出来事が評価全体に影響するものです。
評価期間の後半に良い評価を出せば結果的に高い評価になり、失敗すれば評価が下がってしまうなど、公平性に欠けたものとなってしまいます。
また、昇給や昇格の時期しか頑張らない社員が増えることも考えられるため、無くさなければなりません。
対比誤差
対比誤差は、「厳格化」に似ているものがあります。評価者が自分と被評価者と比べて評価をするため、自分よりも優れている部分は高く、自分よりも劣っている部分は低く評価します。公平性のある評価とは言えず、被評価者からの不満や不信感につながります。
これらの歪みや偏りは評価者研修を受けることで修正することが可能です。
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評価者研修の内容(一例)
ここからは、評価者研修の内容の一部をご紹介します。
自社の人事評価制度の役割と運用を理解する
評価をする役割を担うためには、自社が構築・運用している人事制度を正しく理解しなければなりません。
どういった目的があって構築されたのか、現在の人事評価制度になったきっかけなどを理解しておくことで、評価する立場はどのような目線を持っていれば良いのかを理解できます。
また、運用について正しく理解できていないと、被評価者の仕事に対するモチベーションや生活に関わる部分に影響を及ぼします。研修では、評価者個人としての正しい理解ではなく、“会社として”の正しい理解ができるようにしっかりと理解できるカリキュラムを組む必要があるでしょう。
目標設定スキルを身につける
評価者は、自分が評価する対象を単純に評価していれば良いわけではありません。
一人ひとりがスキルを高め、より良い評価を得られるようにするためにはどうすれば良いか、どういった目標を設定すべきか…などの具体的な支援をすることが重要です。そのために必要なのが、目標設定を支援するスキルです。具体的な行動に繋げるためのサポートスキルも、評価者には必要です。
人事評価スキルの向上
評価者は、常に評価スキルの向上に努めなければなりません。評価者によって評価が違ってしまうと会社としての意思統一がされていないことや評価についての公平性・透明性に欠けていると言わざるを得ません。そして何より、評価される側は納得できないでしょう。
そのため、評価者の中で常に評価に対しての共通認識を持ち、ブレることなく評価を行えるようにしておくことが大切です。
成長につながる説明とフィードバックスキル
「目標設定スキル」でも説明しましたが、評価者は被評価者に対しての面談・フィードバックを行う必要があります。その際には、被評価者が前向きに評価を受け取れるような雰囲気作りや話し方などを意識し、お互いが建設的な話し合いのできるような状態を作る必要があります。
これらのスキルは、相手のモチベーションアップにつながり、結果として会社の業績にもつながっていきます。相手にとって「良いフィードバックとはなにか」「評価者からの面談にどういった思いで臨むのか」など、相手の立場に立った言動を心がけましょう。
評価者としてのスキルを高めるポイント
ここからは、評価者としてのスキルを高めるために意識しておきたいポイントを解説します。
このポイントを意識しながら研修を受けることで、評価者としてさらにスキルを高めることが可能となります。
評価者としての心構えを身につける
企業における「評価」は、給与査定のために行われることが全てではありません。
最大の目的は「自社の理念や方針に沿った人材を育成するため」であり、そのために必要な項目が評価項目として挙げられているケースが多くあります。評価者が、その点を理解した上で冷静に評価できなければ、どれだけ良い人事評価制度を構築しても無駄に終わってしまいます。
評価者として、人事評価制度を正常に運用すること、公平・公正な評価を行うことで適切な人材育成を目指すことは、忘れないようにしましょう。
評価を「される側」との信頼関係を大切にする
評価制度は、評価する側とされる側の関係性が効果的に運用できるかどうかを左右すると言っても過言ではありません。
評価者は、日常業務での関係性や積み重ねが大きな影響を与えること、公平・公正な評価を行うスキルだけでなく、日々のコミュニケーションや関係性を重視することを忘れないようにしましょう。
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評価制度の構築・導入はゴールではない!
今回は、「評価者研修」に関する内容やポイントを解説しました。評価者研修は、今回紹介した内容以外にも様々なものがあります。評価者として、全てを学び評価を行うことは簡単ではありませんが、多様性のある職場や様々な働き方が増える傾向にある中で、公正・公平な評価を行うことは従業員の仕事に対するモチベーションや「長く働き続けられる」という思いを育てるだけでなく、会社の業績アップにつながる大切な業務です。
研修を通じて自社の制度を理解し、一人でも多くの従業員が気持ちよく働ける環境を作るためにも、バイアスのない評価ができる人材を育てましょう。
弊社では、経験豊富なコーディネーターが研修の企画や事前準備、アフターフォローまでを丁寧にサポートさせていただきます。評価者研修は、一度行えば良いわけではありません。
制度が変わるタイミングや自社の状況を見ながら、その時々に合わせた最適な研修を行う必要があります。「評価制度は整えたが評価者研修は行なっていない」「過去の研修からカリキュラムが変わっていない…」など、評価者研修にお悩みの方はお気軽にご相談ください。
豊富な研修プログラムをご用意しております。
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