ビジネスで活きる質問力とは?メリットや実践的なトレーニング方法を紹介
ビジネスシーンにおいて注目されている「質問力」をご存じですか。質問力の向上はビジネスパーソンとしてのスキルアップに直結し、さらに企業全体の強化にもつながります。
本記事では、質問力を磨くことにより得られるメリットからすぐに実践できるトレーニング方法まで、具体的に紹介します。質問力の習得により課題解決につながる提案ができる人材を育成したい方は、ぜひ参考にしてください。
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質問力とは「コミュニケーションを円滑にする」スキル
質問力とは、他者とのコミュニケーションにおいて、自分が感じた疑問や不明な点を的確に問いかけるスキルです。
業務を円滑に遂行するには、相手のニーズを把握することが重要です。的確な質問ができれば、相手のニーズや抱えている課題を引き出せるようになります。質問力を高めていけば、ニーズに応えられる提案や課題解決につながるサポートができる人材になれます。
このように、質問力は近年のビジネスにおいて注目されている重要なスキルの一つです。
質問力を磨くことで得られるメリット
質問力を磨くことで得られるメリットは、以下の通りです。
- 相手の関心を引き出し共感を示せる
- 信頼関係を築くことができる
- 効果的に情報収集し課題解決力を向上できる
質問力が生きるシーンは、会議や面談、商談などさまざまです。
正しい質問をして相手のニーズや状況を理解することは、信頼獲得につながります。以下の頁で、得られるメリットを詳しく解説します。
相手の関心を引き出し共感を示せる
質問は、相手に対して興味や関心がないとできない行為です。問いかけすることにより、相手に興味や関心を寄せていると示せます。「自分に興味を持ってくれている」と受け取ってもらえれば、安心感が生まれ、好意や共感が得やすくなります。
ただし、リサーチ不足な質問は相手に不信感を与えかねません。自分の意見を織り交ぜながら、相手の立場や状況などを理解した的確な質問をしましょう。そうすることで、相手の本音に近づき、真意を知るきっかけをつくれます。
信頼関係を築くことができる
適切な質問は、相手の深層心理を知る手がかりです。相手の興味や人柄、背景などを質問により引き出すと、相手をより深く理解できます。心の距離が近づくため、信頼関係を構築しやすくなります。
ただし、内容の薄い質問を繰り返してしまうと、嫌悪感を抱かれてしまうため注意が必要です。質問はわからないことを解決するためでなく、相手との信頼関係を築くうえでの重要な手段ともいえます。
効果的に情報収集し課題解決力を向上できる
質問力が高い人は多角的な視点からアプローチができる人材です。
会話の中で質の高い質問を問いかければ、本人も意識していない悩みやニーズを引き出せます。課題の根本原因が明確になれば、解決策を検討する際の視野が広がります。これにより、精緻な解決策の提案が可能です。
質問力を磨けば、チームや組織にも大きな価値を提供できる人材へと成長できます。
目的によって使い分ける質問の種類
質問の種類は、大きく分けて以下の5つに分類できます。
- オープンクエスチョン
- クローズドクエスチョン
- サトルクエスチョン
- 肯定質問・否定質問
- 過去質問・未来質問
それぞれを詳しく解説しますので、シチュエーションに応じた質問をしてみましょう。
オープンクエスチョン|回答範囲に制限がない質問
オープンクエスチョンとは、「なぜそう思いますか?」「何が好きですか?」など自由な回答を促すタイプの質問です。
回答の幅が広く、相手が答えやすい特徴があります。そのため、会話が広がりやすく、詳細な情報を得られるのがメリットです。ただし、相手との信頼関係が十分に構築できていない場合、多用しすぎると心理的負担をかけるため注意してください。
クローズドクエスチョン|回答範囲が限定的な質問
クローズドクエスチョンとは、YesまたはNoで答えられる二者択一や三者択一など、限定した選択肢の中から回答を選んでもらうタイプの質問です。
「旅行は好きですか?」「午前と午後のどちらにしますか?」など、回答範囲が狭いため素早く回答を得られます。相手にかかる負担は少ない質問方法ですが、会話が広がりにくいといった欠点があります。
オープンクエスチョンなど、ほかの質問と組み合わせて活用しましょう。
サトルクエスチョン|心理効果を活用した質問
サトルクエスチョンとは、心理効果を活用した質問方法で、相手に質問をしていると悟らせないように行います。相手に警戒心を与えず、本音を聞き出しやすいのが特徴です。
サトルクエスチョンには、仮説をぶつけて訂正してもらう方法があります。例えば、「〜ということは○○(仮説)なのですね?」のように問いかけ、間違った情報は訂正したくなるといった心理を活かして正しい情報を引き出します。
質問に対する回答ではなく、間違いへの訂正として会話が続くため、相手に心理的負担をかけません。
肯定質問・否定質問|行動変容につながる質問
肯定質問とは、肯定的な言葉を使い質問をして前向きな気持ちを引き出す質問です。一方、否定質問とは、ネガティブな面にフォーカスしており、否定的な表現を用いて質問します。
否定質問は原因を探る手段として有効ですが、相手は「責められている」と感じやすく、モチベーション低下につながるデメリットがあります。そのため、肯定質問と合わせて質問し、寄り添う姿勢を示すのがポイントです。
過去質問・未来質問|時系列に基づく質問
過去質問は過去の出来事について聞く質問で、未来質問はこれから起こる出来事や展望について聞く質問です。どちらも時系列に基づいて行います。
過去質問は、相手のこれまでの経験や考えなどを知るために重要です。しかし、変えられない過去に言及するため、ネガティブな内容になる場合も想定しなければなりません。一方、未来質問は将来の展望について話すため、前向きな内容が期待できます。
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質問力を高める3つのトレーニング方法
質問力を高めるための実践的なトレーニング方法は、以下の3つです。
- 質問力が高い人を観察し模倣する
- 受けた質問を振り返り分析する
- 専門的な研修で質問力を磨く
すぐにできる方法も紹介しますので、質問力向上を目指し実践してください。
質問力が高い人を観察し模倣する
質問力が高い人は質問のバリエーションが豊富です。質問力が高いと思われる人を見つけて質問のタイミングや種類をよく観察してください。
例えば、身近にいる上司や同僚だけでなく、テレビ番組の名司会者も参考にできます。模倣は上達の近道ですが、表面的に模倣するのでは意味がありません。質問の意図や意味を理解し、分析したうえで模倣するのがポイントです。
受けた質問を振り返り分析する
自分が過去に受けた質問に対して「答えやすかった」「嫌だった」など内容を振り返り、深掘りするのもトレーニングの一つです。
過去の質問で感じた理由を考えると、良い質問と悪い質問の違いが明確に判別できるようになります。自分が答えやすかった質問や、嬉しかった質問を投げかけるように心がけるだけで、質問力は高まります。
専門的な研修で質問力を磨く
専門的な研修を受講し、質問力を高める方法もあります。
ガイアシステムの質問力研修では、「考え方」と「手法」に特化したカリキュラムを用意し、具体的な実践方法を通して質問力が身につきます。相手のニーズや課題を深掘りし、適切な提案ができる人材に育成できる研修です。
社内全体のコミュニケーション能力・問題解決力の向上を目指しているすべての企業におすすめです。質問力研修のカリキュラムはこちらからご覧いただけます。研修を通じて企業の成長をサポートします。
質問力を高める研修カリキュラム
研修課題・ニーズに最適化するため、カリキュラムはオーダーメイドで構築しています。下記、一例としてご確認ください。
テーマ | 詳細 |
---|---|
1.オープニング | ・チェックイン、本研修の目的と狙い |
2.アイスブレイク | ・ペアツーコミュニケーション |
3.「質問力」を鍛えるために必要な考え方 | ・コミュニケーションが大切な理由 ・聴く力(傾聴力)を訊く力(質問力)の明確は違い ・質問力を高めるには? 「興味関心を持つこと」「観察力を高めること」 ・質問力を高めることで得られる効果とは ・相手に質問するときに意識をするべきポイント ・質問力向上で、なぜ人間関係が良くなるのか |
4、相手から本音を引き出す具体的実践方法 | ・目的と狙いをもった質問 ・良い質問例と悪い質問例 ・オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの使い分け ・フットインザドアを活用した質問方法 ・ひとつのこと深掘りする具体的な投げかけ方法 |
5.コミュニケーショントレーニング | ・シミュレーション① 例:営業先商談時など ・シミュレーション② 例:部下面談時など ・受け取り直し、フィードバック |
6.まとめ | ・総括・明日からの実践を整理する |
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質問力を高めるポイントと留意点
質問力を高めるためには、相手に配慮し、丁寧な姿勢で接することが大切です。以下に、質問力を向上させるためのポイントと留意点をご紹介します。
相手の立場に立って質問する
質問力を高めるには、まず相手がどのような立場にいるかを理解することが重要です。
相手がどんな情報を必要とするか、どのような状況でどんな意図を持っているかを考慮し、その背景に合わせた質問を投げかけることで、共感的で実りのある会話ができます。
相手の立場を理解し、意見を否定しない
質問するときには、相手の立場や状況をよく理解し、その人の意見や考えを否定しないよう心がけましょう。
相手が安心して答えられるよう、肯定的に受け入れる姿勢が重要です。この姿勢は信頼関係を深め、より深いコミュニケーションにつながります。
質問の深さを調整し、相手との距離感を意識する
質問に踏み込みすぎると、相手にとって負担となることがあります。
適度な距離感を保ちつつ、答えやすい質問を心がけましょう。特に初対面の相手やデリケートな話題の場合は、相手の反応を見ながら質問の深さを調整することが大切です。
先入観を持たずフラットな姿勢で接する
どのような質問をする場合でも、先入観を持たずに相手と向き合いましょう。
偏見や決めつけがない質問は、相手が自分の言葉で自然に話しやすい環境を作ります。また、相手のペースを尊重することで、質問に対するより誠実な答えが得られます。
リスニングスキル(傾聴力)を活用して深く理解する
良い質問力には、リスニングスキル(傾聴力)も欠かせません。質問の後は相手の話に耳を傾け、しっかりと聞く姿勢を持つことが重要です。
相手の話を注意深く聞くことで、より適切な質問が浮かびやすくなります。相手の意図や気持ちを理解しながら質問を重ねると、相手も安心して答えることができ、より建設的な会話ができます。
答えを引き出すための沈黙の時間も大切にし、相手の話を途中で遮らないように心がけましょう。また、相手の答えに対して興味を示し、さらに深掘りする質問をすると、会話の質が向上します。
質問の内容を整理し、一貫性を持たせる
質問が矛盾していたり、目的がはっきりしていなかったりすると、相手が混乱する原因になります。
情報を整理し、質問の内容に一貫性を持たせることを意識しましょう。そうすることで、相手が答えやすい環境を提供し、会話の流れがスムーズになります。
質問力を高めるためには、これらのポイントに留意し、相手との信頼関係を大切にすることが不可欠です。
質問の意図を明確にする
質問する際の目的や意図を自分の中で整理し、明確な質問を心がけましょう。
具体的な意図があると相手も答えやすく、曖昧な答えを避けることができます。例えば、「具体的なアドバイスが欲しい」や「詳細な背景を知りたい」といった意図を最初に伝えると効果的です。
まとめ
相手の本音を引き出し、気づきを与える「質問力」は、ビジネスシーンにおいて重要なスキルです。本記事で紹介したトレーニング方法やポイントを押さえて、日常の中から質問力を高めてください。
また、質問力に特化した研修で実践的に学ぶのもおすすめです。ガイアシステムが提供している質問力研修のカリキュラムはこちらからご覧ください。
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