コーチングスキルを現場で活かす!基本から活用場面まで徹底解説

コーチングは、多くの企業が導入している人材育成手法の一つです。これまでに、各企業が研修を行い、それぞれにコーチングスキルを学んだ人材を輩出しています。しかし、実際に業務でスキルを活かすことは難しく、学んだ人からは「どうやって活用すれば良いかわからない」「具体的に何をしたら良いかわからない」といった悩みも聞かれます。

 

今回は、コーチングスキルを現場で活かすための方法や身につけたおきたいマインド、活用場面までを解説します。

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コーチングとは?

コーチングスキルに関する解説をする前に、まずは「コーチングとは何か」をおさらいしておきましょう。

コーチングとは何か

コーチングとは、「自らアクションを起こす人材」を育てるための人材育成の手法です。近年、人材育成の方法は多様化しており、従業員一人ひとりに合わせたアドバイスや指導が求められている中で、コーチングはとても重要なスキルといえます。

コーチングは、従業員それぞれが問題を解決するための答えを持っているという考えのもとで、その答えを導き出すサポートをすることが狙いです。そのため、コーチングを受ける目的は、自分の中になかった新しい考えや視点を得ることとなります。

コーチングと似ているが違うもの

コーチングと似ているものとして知られているものには、ティーチングやコンサルティング、カウンセリングがあります。それぞれ、コーチングとは何が違うのでしょうか。

コーチング・ティーチング・カウンセリング・コンサルティング

ティーチング

ティーチングは、「教えること」「指導」がメインとなります。コーチングと大きく異なるのは、先輩や講師など教える側が「自分の得意な分野や領域の知識、ノウハウを一方的に伝える」ことです。そのため、講師から一方的に伝えるだけになります。

コンサルティング

コンサルティングは、組織が直面する課題に対して正しい解決方法や改善箇所を指摘することによって、現在の状態からより良い状態にするために行います。

コーチングのように個人をターゲットにするのではなく組織全体を対象にすること、コンサルタントに指摘されたことを改善していく「受け身」な行動であることも、コーチングとの違いと言えます。

カウンセリング

カウンセリングは、マイナスになってしまった状況を把握し、対象となる相手をケアしながら解決策を提示するものです。コーチングと同じく双方向ではあるものの、コーチングとは目的や目指すべきゴールが異なっています。

各スキルを上手に使い分けることが大切

ティーチングやコーチングなどのスキルは、従業員それぞれに対して効果が違います。全ての人が同じタイミングでコーチングを受けても、現れる効果や結果は良いものばかりとは言えません。コーチングを受ける前に体制を整える必要があるかもしれないし、コーチングよりも別のやり方の方が効果的なケースもあります。

これからの人材育成手法として注目されているコーチングですが、従業員や組織の現状に合わせてうまく使い分けることが重要です。

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コーチングスキルの基本

ここからは、コーチングスキルの基本部分について解説します。

  • 傾聴力
  • 質問力
  • 承認力
  • ペーシング
  • 話の構成力
  • リクエスト
  • フィードバック

傾聴力

傾聴とは、「相手のことを深く理解するためにしっかりと相手の話を聞く」ことです。
傾聴には、「需要」と「共感」の二つのポイントがあります。

コーチングでは、アクティブリスニング(積極的傾聴)を意識しながら相手がどう考えているのかを意識して話に耳を傾けるようにしましょう。ただし、コーチングは相手をリードすることではありません。相手の話を受け止めて寄り添うために、このスキルは欠かせません。

傾聴力

質問力

コーチングでいうところの「質問力」は、一般的な質問力と少し異なります。コーチングでは、相手に対して考える力や成長する機会を提供することを目的とした質問を行います。

そのため、トラブルを起こしたり失敗してしまったことなどに対して、自分のことを客観的に捉え分析する力を身につけられるようになるためにも、質問力は重要です。

さらに、コーチングにおける質問では、相手をフォローしつつも気づく機会を奪うことのないよう心がけましょう。さらに、どんな状態でも「詰問」することのないようにしましょう。

承認力

承認力とは、相手の変化や成長など気づいたことを「素早く」「具体的に」「一貫性を持って」伝えるスキルです。
承認力には、「成果への承認」「変化への承認」「存在への承認」の3つの要素があり、それぞれをうまく伝えることによって相手のモチベーションアップを促し、効果的なコーチングにつながります。

ただし、相手に対して成長や変化の良かったところを伝える上では、できるだけ抽象的にならないように気をつけましょう。抽象的になればなるほど混乱してしまったり、大切なところが伝わりません。

ペーシング

ペーシングとは、自分と相手の関係性を深くする上で必要な「安心感」を作り出すためのスキルです。
相手とコミュニケーションを取る時、相手の呼吸やリズム、使う言葉や話す声のトーンなどを一緒にすることで、自分と相手が同じ(もしくは似ている)と言う安心感を与えることで、コーチングを進めやすくします。

話の構成力

コーチングは、限られた時間の中で行われます。緊張している相手の気持ちをほぐし、アドバイスや今後の業務への提案を的確に行うには、分かりやすく理解しやすい話の構成が必要です。

話の組み立てがうまくいっていないと、「結局何が言いたかったのか」「今後は何をどうすれば良いのか」といった疑問が残るだけとなり、あまり意味のない時間で終わってしまう可能性があります。

話の構成は事前に組み立てると思いがちですが、その場で出てきた課題や相手の言葉をうまく汲み取って話を展開するなど、リアルタイムで構成を作るスキルも求められます。

リクエスト

リクエストは、相手に対して何らかのアクションを提案・促進するものです。指示や命令とは違い、あくまでも考え方を変えたり行動を起こすきっかけを与えるだけであるため、最終的な選択権・決定権は相手にあることを覚えておきましょう。

リクエストを行うときは、相手の成長が見込める良いアイディアがある時などに限定しても良いかもしれませんね。

フィードバック

フィードバックは、相手が行動した結果などに対して客観的な視点でアドバイスを行うことです。相手のことを客観的に見るため、普段では気づかないところなどを指摘できることから、普段では気付かないところにもアドバイスや提案などをすると良いでしょう。

なお、多くの人はフィードバックに対して「批判的なもの」というイメージを抱いています。上司や先輩が積極的に行うのではなく相手から求められた時に行ったり、「良かったらフィードバックできるところがあるから、ミーティングしようか」など、最終的な選択権を与えるようにすることで、本人も安心してフィードバックを受けられるようにしておくことが重要です。

また、実際にフィードバックを行う時にはフィードバックする出来事からあまり時間を空けず、できれば当日のうちに速やかに行いましょう。

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コーチングスキルを高めるマインドとは

コーチングスキルを高めるためには、コーチングを行う人のマインドを整えることも重要です。
どれだけ高いスキルを持っていても、マインドが整っていなければ効果的なコーチングを行うことはできません。

コーチングスキルを高めるために必要なマインドには、主に次のようなものがあります。

  • 「GROWモデル」を基本とする
  • 相手のコミュニケーションタイプを理解する
  • コミュニケーションのコツを身につけること
  • 承認はメッセージを大切にすること

GROWモデル

GROWモデル

GROWモデルとは、目標設定と問題解決のために開発されたツールです。
GROWは、以下の頭文字を取ったものです。

  • G:Goal(自分の目指す姿を明確にする、目標を共有する)
  • R:Reality(「今できていないことをは何か」を理解する、現状を把握する)
  • R:Resource(資源を見つけるための質問をする)
  • O:Options(「何をすべきか」いくつかの選択肢を考える)
  • W:Will(今後取り組む内容や目指す姿に対しての意思を確認、具体的な約束などを決める)

コミュニケーションのコツを身につける

コーチングは、対人コミュニケーションスキルです。前述した「傾聴」や「承認」などのコツを知っておくことで、より深いコミュニケーションや効果的なコーチングが可能となります。特に、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 傾聴の姿勢を崩さない
  • 質問にバリエーションを持たせる

これらを意識するだけでも、相手との円滑なコミュニケーションが期待できます。また、質問のバリエーションには「答えを引き出すもの」と「相手に確認するもの」、そして「考えを深めてもらうもの」があり、それぞれを状況に合わせて使い分けることで効果的なコーチングを行えます。

相手のコミュニケーションタイプを理解する

人には、コミュニケーションタイプがあります。
以下の2つが代表例として挙げられることが多いため、これらを把握しておきましょう。

タイプ
ソーシャルスタイル理論

ソーシャルスタイル理論は、「感情を出すか、抑えるか」と「意見を言うか、聞くか」の2つの軸から4つのタイプ分けを行うものです。

  • 感情を出し、意見を言うタイプ
  • 感情を出しつつも、意見を聞くタイプ
  • 感情を出さず、意見は言うタイプ
  • 感情を出さず、意見も言わないタイプ

完全な分類分けはできませんが、このような分類を覚えておくだけでも、コーチングを行う上で相手に対してのイメージや傾向と対策を行うことができます。

タイプ
DiSC理論

DiSC理論は、D(主導型:Dominance)、i(感化型:influence)、S(安定型:Steadiness)、C(Consecientiousness)の頭文字をとったものです。この理論も、ソーシャルスタイル理論と同様に、ざっくりとした分類によって相手の傾向や対策を考えるきっかけとして覚えておくと良いでしょう。

「承認」は「アイメッセージ」を大切にすること

コーチングにおける「承認」では、基本的に「I(アイ)メッセージ」を心がけましょう。
I(アイ)メッセージとは、「私は〜〜だと思います」という言い方をすることで、相手を否定せず必要なメッセージを伝える方法です。否定や押し付け、決めつけなどのマイナスイメージを与えることなく、相手とのコミュニケーションが可能となります。

I(アイ)メッセージは、承認スキルに限らず様々な場面で活用できます。ぜひ、自分なりに使える場面を見つけて活用しましょう。

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コーチングスキルが活用できる場面

最後に、コーチングスキルが活用できる場面を紹介します。次の3つの場面は、どれも日々の業務の中で部下やメンバーに多く見られるケースです。

  • 業務が円滑に進んでいない場面
  • 次の行動に踏み出せていない場面

業務が円滑に進んでいない場面

日々の業務の中で、研修やOJTを通じて必要な知識やスキルを得ているにも関わらず、円滑に業務を進められていないスタッフを見かけることがあります。この場合、モチベーションが下がっていたり学んだ知識やスキルを応用する方法がわからないといった悩みを抱えているケースが考えられます。

ここでは、コーチングによって課題や悩みなど「引っかかっているもの(こと)」を洗い出しサポートすることで、本人に気づきの機会を提供します。そして、対策を一緒に検討・実行することで前向きに業務に取り組めるようになることが期待できます。

次の行動に踏み出せていない場面

従業員の中には、自分のスキルや知識は十分なものがあるのに、なかなか自律的に行動できていなかったり、一歩が踏み出せていないケースがあります。これは、成長の機会を逃すとてももったいない状況です。

こういった場面では、コーチングによって「承認」される経験を重ね、自分に自信がつくことで変わるケースがあります。自分に自信が着くと、意欲的に業務に取り組むことが期待でき、成功体験を積み重ねることでより自信がつくと言う循環を作ることができます。

コーチングスキルを高めるならガイアシステムへ!

今回は、コーチングスキルを高めるために身につけておきたい基本的なスキルやマインド、実際にコーチングを活用できる場面の例について解説しました。ガイアシステムでは、各企業の課題や現状に合わせたカリキュラム編成から、研修後のアフターサポートまで、一貫して丁寧に行います。

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