1on1ミーティングは上司の力量で効果が激変!上司の面談力UPを目指せ
「部下の離職率が高い」「部下の成長速度が遅い」などとお悩みであれば、人材育成の一環である1on1ミーティングの導入がおすすめです。1on1ミーティングとは、上司と部下がマンツーマンで定期的に行う面談のことであり、効果的な人材育成の方法として注目されています。
しかし、上司の知識やスキルが不足していると、効果が出るどころか逆効果になるリスクがあるのも事実です。
- 1on1ミーティングの効果を最大限に発揮させたい
- 部下の離職率を下げて人材定着率を高めたい
- 社内コミュニケーションを円滑にしたい
という企業の方に向けて、1on1ミーティングの基本から効果的な実践方法までご紹介します。
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1on1ミーティングとは
1on1ミーティングとは、上司と部下が定期的にマンツーマンで行う面談のことです。ミーティングでは、部下が直面している問題・課題、そして業務の進捗状況・キャリアなどに関することを話し合います。
上司が部下の状況を把握し、細やかなアドバイスをすることで、部下のモチベーションの上げ、業務の効率化が期待される面談です。
1on1ミーティングを通して上司と部下の信頼関係が強まるため、社内のコミュニケーションの円滑化にも役立ちます。
ただし、上司の知識がないまま1on1ミーティングを行ってしまうと、逆に、部下からの信頼を失うリスクもあります。1on1ミーティングの効果を最大限に活かすためには、上司が部下の話しに真摯に耳を傾け、適切なフィードバックをすることが重要です。
したがって、1on1ミーティングを開始する前に、上司のスキルや知識向上を目指す必要があります。
1on1ミーティングと面談の違い
1on1ミーティングと面談は、上司と部下のコミュニケーション手段として用いられる点は同じですが、目的・形式・頻度などが異なります。
今回は、面談の中での最も活用されている「MBO面談」との比較をご紹介します。
MBO面談 | 1on1ミーティング | |
---|---|---|
目的 | 上司が部下と目標設定・評価・フィードバックを行う | 部下が自己成長のために課題解決・自己分析を進める |
形式 | 上司が主体的に指導やアドバイスを行う一方通行型 | 双方向の対話により上司と部下が対等な関係性を築く |
頻度 | 3ヶ月~6ヶ月に1回 | 週1回から月1回 |
その他 | 目標管理制度の一環として行われる | 課題解決のために行動の振り返りを頻繁に行う必要がある |
それぞれの特性をしっかりと理解し、最適な場面で活用することが求められます。
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1on1ミーティングの目的や効果
1on1ミーティングの目的や効果を深掘りしていきます。
- モチベーションアップのため
- 離職率を下げるため
- 社内コミュニケーションを円滑にするため
1on1ミーティングの特性を理解し、社内の利益につながるような活用方法を考えましょう。
モチベーションアップのため
1on1ミーティングの目的の1つは、部下のモチベーションアップとされています。上司が部下の目標やキャリアパスに対するアドバイスをすることで、部下が自ら成長やキャリアに向けて積極的に活動できるようになるからです。
また、部下が自分の意見や考えを発言しやすい環境提供することができれば、部下の自己実現欲求や主体性を引き出すこともできます。
たとえば、部下が自分のキャリアについての考えを話したいと思っている場合は、上司が1on1ミーティングを通じて、部下のキャリアプランを共有し、具体的な目標設定についてアドバイスしていきましょう。
離職率を下げるため
1on1ミーティングは、離職率を下げることも目的とされています。
2022年にエン転職が行った「本当の退職理由 実態調査」では、退職理由のトップは「職場の人間関係が悪い」でした。本当の退職理由は言わないという方が多い傾向にありますが、潜在的には、退職者の多くが職場内での人間関係に悩みを抱えていることがわかります。
上記の悩みを解消し、離職率を下げるためにも、1on1ミーティングは非常に有効です。
1on1ミーティングを通して、部下が自分の悩みや意見を発言しやすくなるため、部下のストレスや不満が解消されやすくなります。
社内コミュニケーションを円滑にするため
1on1ミーティングは、社内コミュニケーションを円滑化する効果も高いです。部下と上司が定期的に対話することで、部下が仕事で抱えている問題や課題を早期に発見し、共有できます。
実際、株式会社ティファナ・ドットコムが行った「仕事での困りごとに関する意識調査(2019)」では、回答者全体の3分の1以上の人が「社内業務の問い合わせがしづらい(聞きづらい)」ことに悩みを抱えていると回答しています。
社内のコミュニケーションを改善し、聞きやすい環境づくりを目指している企業の方には、1on1ミーティングをぜひ取り入れてほしいです。
1on1ミーティングの流れ
1on1ミーティングを実践しやすいように、準備からアフターケアの仕方まで、詳しくご紹介します。
準備
1on1ミーティングに必要な準備は以下の通りです。
1 | 目的を共有する | 1on1ミーティングの目的を部下に伝え、彼らが自分の考えや問題を自由に話しやすい環境を作る。自己評価や成果目標の振り返り、課題や悩みの共有、キャリアプランの話など、テーマを決めておくとより効果的なミーティングができる。 |
2 | アジェンダを作る | アジェンダを作成し、事前に部下に共有しておくことで、ミーティングの進行がスムーズに。部下からのフィードバックを受け入れ、アジェンダを修正することも大切。 |
3 | 部下の業務内容を理解する | 部下の業務内容を理解し、その状況に応じて質問を用意することで、部下の成長に繋がるアドバイスやアイデアを出しやすくなる。 |
4 | 信頼関係を築く | 部下との信頼関係を築くため、日常的に密なコミュニケーションをとっておくことが重要。 |
5 | テーマを決める | 部下自身が話したい事柄や解決したいテーマをピックアップし、彼らが話しやすいトピックを提供する。 |
6 | 時間と場所を確保 | 1on1ミーティングは、部下とのコミュニケーションを重視するため、時間に余裕を持ち、周囲の邪魔が入らない静かな場所で実施することが望ましい。 |
上記の6つのポイントを軸に、1on1ミーティングに向けて準備を行いましょう。
当日の流れ
1on1ミーティングの当日の流れは以下の通りです。
1 | 部下の状態を確認 | 部下の機嫌や体調をチェックし、親密な関係を築く。気軽に話しやすい雰囲気づくりを心がける。 |
2 | 方向性やテーマを決める | 会話の焦点を明確にし、効率的な時間の使い方を目指すのがポイント。質問形式で話したい内容を引き出す。 |
3 | 現状把握 | 部下が抱える問題点や課題について、部下の発言を聞き役に徹しながら把握する。途中で話しをさえぎるのはNGです。 |
4 | 問題提起 | 部下が目標やゴールに至らない理由を明確にするために、質問形式で投げかける。 |
5 | 解決策の決定 | 部下自身が解決策を見つけるために、上司が提案するのではなく、部下が考えを整理し、自己解決するためのアイデアを見つけ出す。 |
6 | 行動プランの決定 | 問題の解決に必要な行動計画を共同で決める。長期的なプランではなく、即実行可能なプランを立てるのがポイント。 |
一方的なアドバイスとならないよう、上記のポイントを踏まえながら、当日の進行を行いましょう。
アフターケア
1on1ミーティングを終えた後は以下のようにアフターケアをしましょう。
1 | フィードバックの共有 | 部下が提案した解決策を実行した結果や、改善された点について、適宜フィードバックを伝える。 |
2 | 振り返りの実施 | 1on1ミーティングで話し合った内容が実行されたか、どのような結果が出たかを定期的に振り返る。 |
3 | フォローアップの実施 | 1on1ミーティングで話し合った課題や解決策に対して、定期的に進捗状況を確認し、必要に応じてフォローアップを実施。 |
4 | 今後の1on1ミーティングの日程調整 | 次回の1on1ミーティングの日程調整を行い、部下が次回までにどのような課題に取り組むかを共有する。 |
5 | モチベーションアップのサポート | 部下のモチベーションが下がらないよう、必要に応じてサポートを行う。具体的には、フィードバックの中に肯定的な言葉を加える、部下のやる気を引き出す質問をする、業務上のストレスの軽減策を提供するなど。 |
1on1ミーティングに必要な上司のスキル
1on1ミーティングを成功させるかどうかは、上司の力量にかかっています。上司に必要なスキルは以下の通りです。
- 傾聴力
- コーチング力
- 質問力
上記のスキルを身につけて、効果的な1on1ミーティングを行いましょう。
傾聴力
1on1ミーティングにおいて、上司に最も必要なスキルは「傾聴力」です。上司は、深いレベルで部下を理解し、気持ちを汲みとる必要があります。
高い傾聴力があれば、部下がオープンな気持ちで話しができ、部下が抱える課題や問題点を正確に把握できるというわけです。
- 目を合わせて相手に向き合う
- 相手の話しに興味を持つ
- 聞き返しをする
- 感情を共有する
- 誘導質問する
などの方法を駆使して、傾聴力を高めましょう。
コーチング力
上司に求められる1on1ミーティングのスキルの1つとして、「コーチング力」が挙げられます。部下が自ら目標を設定し、達成するために必要な計画をたてて実行することをサポートするためです。
コーチング力を持った上司は、部下のスキルやモチベーションに合わせて、個別にアプローチできます。コーチングの専門家から指導を受け、コーチングの知識を学ぶのがおすすめです。
質問力
1on1ミーティングにおいて、上司には武bかが自分や仕事について深く考える機会を与え、自己解決力を高めるための「質問力」が求められます。
質問力は、コーチングの基本のスキルでもあり、クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンをうまく使い分けるスキルが必要です。部下自身が気づいていない問題点や思考の歪みを引き出すことで、より良い結果を生めます。
質問力を高めたい人は、積極的にコーチングのトレーニングを行い、習得しましょう。
1on1ミーティングで本音を聞き出すポイント
1on1ミーティングを成功させ、効果的なものとするためには、部下の本音を聞き出す必要があります。しかし、互いの関係が浅いと、部下はなかなか本音を話してくれません。
- 安心して話せる雰囲気づくり
- 部下の話しを傾聴する
- 興味を持って質問をする
などをポイントを押さえ、部下の本音を聞き出しましょう。それぞれの手法について、下記で詳しく解説します。
1. 安心して話せる雰囲気づくり
部下に本音を話してもらうには、安心して話せる雰囲気づくりが大切です。部下の話しを丁寧に聞き、共感し、受け止める姿勢を示すことで、部下も心を開きやすくなるでしょう。
具体的には、
- 部下が話しやすい場所や時間帯を配慮する
- リラックスしたトーンで話しかける
- 相手の視線を避けず、積極的に目を見て会話する
- 相手の話に興味を示し、話の内容を理解するために積極的にフィードバックを返す
- 部下が話した内容を覚えておくためにメモを取る
などの上司の行動や態度が重要です。
安心して話せる雰囲気づくりを行い、部下の本音を聞き出しましょう。
2. 部下の話しを傾聴する
部下の本音を聞き出すためには、相手の話しを真剣に傾聴する必要があります。疑問に思う点があっても、部下の話しを途中でさえぎるのは絶対にNGです。
部下は、上司の否定的な態度に非常に敏感な場合が多く、すぐに心を閉じてしまいます。どんな内容でも、まずは肯定的に黙って耳を傾けましょう。
部下が話し終わった後は、話しのポイントをまとめ、共感や理解を示すことで、部下が自分の考えを整理しやすくなります。
部下の話しを傾聴し、本音を聞き出しましょう。
3. 興味を持って質問をする
部下の話しを深掘りするには、話しを聞くだけでなく、適切なタイミングでの適度な質問も大切です。
部下の発言からニーズや課題を引き出していきましょう。
上司・管理職向け|おすすめの1on1ミーティング研修
1on1ミーティングをより効果的なものにしたいとお考えの方には、必要なスキルが身に付く研修の受講がおすすめです。
たとえば、以下の2つの研修があります。
- 面談力セミナー
- 面談基礎研修
それぞれの研修の魅力をご紹介します。
面談力セミナー
面談力セミナーは、無料で受けられる管理職・上司向けのセミナーです。部下との面談の重要性を学び、実際にどうやって面談すれば効果的かを学べます。
- 社員の離職率を下げたい
- 部下の課題をどうしたら良いかわからない
- 部下に伝えたいことが伝わらない
- 部下のモチベーションが上がらない
- 部下の本音がわからない
などの課題を持っている1on1ミーティングの基本を学びたい企業におすすめです。
面談基礎研修
面談基礎研修も、管理職・上司向けの面談スキルを高めるための研修です。面談力セミナーの内容に加えて、実践的なロールプレイングが行われるため、すぐに現場に落とし込める内容となっています。
実践的な面談方法を知りたい企業の方におすすめの研修です。
面談基礎研修 |部下面談の種類と手法、基礎スキル向上メソッド
リーダーシップ研修シリーズ【面談力を高める!基本編】 研修内容・概要 昨今、管理職と部下の1on1ミーティング(=面談)を導入する企業が増えています。リーダー業務...
まとめ
1on1ミーティングは、部下の能力を最大化し、成長促進させるために必要不可欠なコミュニケーション手段であることがわかりました。1on1ミーティングをするうえで押さえておきたいポイントは以下の通りです。
- 目的を明確にする
- 上司のコミュニケーションスキルを磨く
- 具体的なフィードバックをする
- アクションプランを作成する
- 定期的に実施する
上記のポイントを押さえて、効果的な1on1ミーティング実施しましょう。1on1ミーティングの実施についてお悩み・お困りの方は、お気軽にご相談ください。