印象に残っている研修について 【ガイアシステム・岡本講師】
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印象に残っている研修について
最も印象に残っている研修は、正直いくつもあるので選ぶのが難しいのですが…
ある産婦人科クリニックでの「接遇研修の事例」をお話させてください。
「病院で接遇研修?」と思われるかもしれませんが、ご依頼いただいたのは、命を守る現場だからこそ、スタッフが誇りを持ち患者様に、想いを持って寄り添い、仕事ができるような病院にしたいというご相談がきっかけです。
ですが、実際に研修を進めるにあたり、いくつかの課題がありました。
医師や看護師の方々は本来、医療の専門家としての役割に重きを置かれており、
当たり前ですが「接客」を目的に職業を選ばれたわけではありません。
まさに日々「命」を最優先に、真剣に業務に従事されています。
そのため、医療現場での「接遇研修」は、受け入れ方や意識改革が難しい挑戦となりました。
またそのクリニックでは、過去5年間で
他社の研修会社による座学中心の研修やマニュアル作りが行われていましたが、
大きな成果にはつながらなかったという課題もありました。
そこで私たちはアプローチ方法を見直し、グループワークやロールプレイを中心にした
実践型の研修を2年間にわたって実施しました。
そのようにして研修を進める中で、スタッフ同士が「自分たちの理想」を見出し
さらに目標を実現するために必要なコミュニケーションや接遇の重要性から
改善に向けて真摯に取り組む場面に立ち会うことができました。
例えば、「この病院で出産できて良かった。ここを選んで良かった」と思ってもらえる病院にしたい。
そのためには、何が必要か?
研修実施時は、コロナ禍で出産時にご家族が分娩室に入れないという措置がとられていた時期でもありました。
出産という人生の一大イベントに、患者さんやご家族に不安もあるだろう…
だからこそ、
”些細なことでも気軽に相談いただけるような、私たちでありたい”
”患者さんが遠慮なく声をかけられる、雰囲気づくりを進めたい”
そういった理想像を具現化するためのイメージをスタッフ同士で共有し、具体策に落とし込んでいきました。
実践力を身に着けるプログラムでは、患者さんへの話の聞き方(傾聴力)にはじまり、
院内での立居振舞(例えば、忙しくても患者さんの前ではせかせかせず、歩くスピードもゆっくり歩く)など、
ロールプレイングを通して、自分たちの理想に近づくためのトレーニングを実施しました。
学んだことを現場で実践していく中で、接客の質も向上し、
次第に「自分たちで研修を企画・運営してみたい」という自発的な声が上がるようになったのです。
その後、クリニックは外部からも注目され、他の産婦人科が見学に訪れるまでになりました。
研修開始時の姿と比べると、まるで別の組織のように成長されていて、私自身もその変化に深く感動しました。
この経験は、研修の意義を改めて感じさせてくれた、私にとっても忘れられない体験です。
研修データ
研修概要 | ・接遇研修・コミュニケーション研修・リーダー研修 |
受講者数 | ・50名 |
導入期間 | ・24カ月 |
業界・職種 | ・医療/病院(産科 婦人科 小児科) |
強化項目 | ・接客接遇・コミュニケーション能力・報連相談・傾聴力 ・理念浸透・ホスピタリティ・チームビルディング |
講師プロフィール
岡本 好市(おかもと こういち)
企業向け研修では、チームビルディング・コミュニケーションプログラムを主に担当し、業種・業界・階層問わず年間約100回以上の研修を実施。企業内での研修カリキュラムの仕組み構築や研修トレーナーの育成、新卒採用強化のコンサルタントとしても活躍している。
情熱を持って受講者に接し、モチベーション向上と前向きな行動変容を促せるよう研修を展開。顧客に寄り添い、成長をサポートする熱意あふれる指導者として多くの支持を得ている。