人事の役割とは？｜人事向け研修の内容とおすすめプログラムを紹介◆

人事は企業の成長と発展を支える重要な役割を担っています。優秀な人材の採用から、社員の育成、モチベーション管理、組織づくりまで、人事の仕事は多岐にわたります。会社の業績向上のカギを握るのは「ヒト」であり、その「ヒト」を最大限に活かすのが人事の腕の見せ所です。

しかし、人事としてのスキルは一朝一夕で身につくものではありません。採用や労務管理などの基本的な知識はもちろん、コミュニケーション力、リーダーシップ、問題解決力など、さまざまな能力が求められます。そのため、人事担当者には継続的な学びと成長が欠かせません。

ここで効果的なのが、人事研修の活用です。専門家による体系的な研修プログラムを通じて、人事に必要な知識とスキルを効率的に習得することができます。採用面接の進め方、人材評価の手法、部下とのフィードバック術など、実践的なノウハウが身につきます。

人事に求められる役割とは？

人事の主要な役割は、「採用」「配置」「育成」「評価」の4つです。人事は組織の人材マネジメントにおいて中心的な役割を担っており、企業の発展に欠かせない存在といえるでしょう。

人事担当者に求められるスキルとは？

人事に必要なコミュニケーション力と問題解決力

人事に求められる重要なスキルとして、コミュニケーション力と問題解決力が挙げられます。

まず、コミュニケーション力は、社員との面談や日常的な対話を通じて、社員の状況や悩みを的確に把握するために不可欠です。特に傾聴力を発揮し、社員の声に耳を傾けることで、信頼関係を構築できます。これにより、社員のモチベーション管理や人材育成がスムーズに進められます。

次に、問題解決力は、社員間のコンフリクトや組織の課題に対処する際に重要となります。人事は、問題の本質を見極め、関係者の意見を調整しながら、最適な解決策を導き出す能力が求められます。加えて、解決策を実行に移す推進力も必要です。

これらのスキルを駆使することで、人事は組織の生産性向上と社員のエンゲージメント向上に貢献できるのです。人事研修では、コミュニケーション力と問題解決力を磨くプログラムが有効でしょう。

人事が備えるべき法律知識とコンプライアンス

人事担当者にとって、労働関連法規の理解とコンプライアンスの徹底は必須のスキルです。特に、労働基準法や労働契約法といった基本的な法律は確実に理解しておく必要があります。労働基準法は、労働条件や労働時間、賃金などに関するルールを定めており、労働契約法は労働契約に関する基本的事項を規定しています。

また、近年ではハラスメント防止も重要なテーマです。パワハラやセクハラ、マタハラなどのハラスメントは、職場環境を悪化させるだけでなく、企業の信用失墜にもつながりかねません。ハラスメントを防止するための社内ルールの整備と、従業員への教育・周知が求められます。

コンプライアンス違反は、企業に多大な損害をもたらすリスクがあります。違反が発覚した場合、行政処分や訴訟、社会的信用の低下など、深刻な事態を招く恐れがあるのです。人事担当者は、コンプライアンスの重要性を十分に認識し、日頃から法令順守の意識を高く持つことが大切です。

人事担当者がコミュニケーション力と問題解決力を磨くことも重要ですが、それと同時に、しっかりとした法律知識とコンプライアンス意識を持つことが、人事スキル向上のカギを握っているのです。

人事研修の内容は？主なプログラムについて

人事研修の主な内容は、人事担当者のスキルアップと人材育成に重点を置いています。研修プログラムでは、採用や評価、育成、労務管理など、人事業務に必要な知識やスキルを体系的に学べるプログラムをおすすめします。具体的な研修プログラムをいくつか紹介します。

採用力強化研修

採用面接のスキルアップ研修は、面接官としての面接スキルや質問技術を向上させ、適切な評価基準に基づいて候補者を評価できるようになることを目的としています。候補者の経験やスキル、人物性などを多角的に評価し、組織への適合性を判断するための評価シートの活用方法や、評価結果の集約・共有方法なども学びます。ロールプレイングを通じて、実践的な面接スキルを磨くことができるのも本研修の特徴です。

近年では売り手市場・人手不足などにより、採用市場は激化しており、「自社がほしい人をどうすれば採れるのか」ということが各社の経営課題となっています。研修で学んだスキルを実際の採用面接で活かし、優秀な人材の獲得につなげましょう。

研修内製化プログラム

研修内製化研修とは、外部の力を借りずに自社内で企画を立てて、教材やコンテンツを作成し、社員や職員が講師を担当する社内研修のノウハウを学ぶための研修のことです。

講師となる人の教えるスキル次第で成果に差が出てしまったり、準備や導入に時間・コストがかかってしまうため、難しいと感じる企業もあるようですが、内製化に適した研修もあるため、自社内で完結できる研修を内製化できればメリットも大きいでしょう。

アセスメント研修

人材アセスメントは、社員一人ひとりの能力やスキル、適性を客観的に評価し、適材適所の配置を実現するための重要な手法です。人事研修では、人材アセスメントの具体的な方法として、適性検査やコンピテンシー評価、360度評価などを学びます。

人事担当者は、社員との面談を通じて、一人ひとりのキャリアビジョンを理解し、それに合わせた育成プランを策定することが求められるため、これらの手法を活用することで、社員のスキルや強みを把握し、組織の目標達成に必要な人材を適切なポジションに配置することが可能になります。

評価者研修

目標設定と評価制度の設計・運用は、人事研修において重要なテーマの一つです。人事担当者が適切な目標設定と評価制度を構築・運用することで、従業員のモチベーション向上や組織の生産性向上につなげることができます。

人事研修では、これらの目標設定と評価制度の設計・運用について、具体的な手法やツールを学ぶことができます。ケーススタディやグループディスカッションを通じて、他社の事例から学びを得ることもできるでしょう。人事担当者が適切な目標設定と評価制度を構築・運用できるようになることで人材マネジメントの質を高めることができます。

コーチング研修

人事担当者にとって、部下育成とコーチングスキルの向上は非常に重要です。日頃からコーチングマインドを持ち、部下との1on1ミーティングなどの機会を活用してコミュニケーションを図ること、信頼に基づく対話を重ねることで、部下のモチベーション向上やスキル向上につなげることができます。

コーチングスキルを身につけた人事担当者が増えることで、組織の生産性向上や問題解決力の底上げが期待できるでしょう。

労務管理研修

人事担当者は、労働基準法、労働契約法をはじめ労働に関する主要な法律について十分な知識を持つ必要があります。労働時間の管理、休暇の付与、賃金の支払いなど、労働条件に関する実務を担います。法規に沿った運用を行うとともに、従業員の健康や安全にも配慮しなければなりません。

さらに人事は、就業規則の策定や労使交渉にも関わるため、コミュニケーション能力や調整力が求められます。トラブルの未然防止や、問題発生時の適切な対応のためにも、労働法規の知識とともに、実践的なスキルを身につける必要があるでしょう。

人事研修では、これらの点を踏まえ、労務管理の基本から応用までを体系的に学ぶプログラムを提供することが効果的です。法令遵守の重要性を再認識し、実務に活かせる知識を習得することで、人事担当者としてのスキルアップが期待できます。

人事研修どうやって選ぶ？実施のポイント

人事研修プログラムを選ぶ際は、自社の課題や目的に合致した内容であることが何より重要です。人材育成の方向性を見据え、必要なスキルや知識を習得できるカリキュラムを備えているかを見極めましょう。以下、人事研修の実施における3つのポイントを紹介します。

１．研修内容・カリキュラムの選定

人事研修を選定する際は、自社の抱える課題を明確にすることが重要です。社員のスキル不足、組織風土の改善、人材育成の強化など、具体的な課題を洗い出しましょう。その上で、課題解決に直結する研修内容を選定します。例えば、コミュニケーション不足が課題であれば、コミュニケーションスキル向上研修がおすすめです。自社の課題に合わせた研修内容を選ぶことで、人事スキルの向上と組織力強化につながります。

2. 講師の選び方

人事研修の講師選定では、講師の専門性と豊富な研修実績の確認が重要です。講師のバックグラウンドをチェックし、人事領域での実務経験や専門知識を持っているかを見極めましょう。また、これまでに同様の研修をどの程度実施してきたのか、研修実績の数値も確認すべきポイントです。講師の専門性が高く、多くの企業での研修実績がある方が、効果的な研修プログラムを提供できる可能性が高いでしょう。人事スキルの向上を目指すなら、講師選びにも十分注力することをおすすめします。

3. 実施方法の検討（オンライン研修・集合研修）

従来までの研修といえば、受講者が一堂に会して行われる集合研修が一般的でしたが、最近ではデジタル技術の普及や新型コロナウイルスの感染拡大が影響し、オンライン研修を選択する企業も増えています。オンライン研修と集合研修には異なるメリットとデメリットがあるため、それぞれの仕組みと違いを把握しておけば、適切な選択ができるようにしましょう。

人事向け研修｜おすすめのプログラム

最後に、人事スキルを向上させるための研修プログラムをご紹介します。組織の力を高めるために、人事スキルの向上は欠かせません。

「採用」「配置」「育成」「評価」と、人事の仕事は多岐にわたりますが、これらの人事スキルを磨くことで、優秀な人材の確保や社員のモチベーション向上、生産性アップにつながります。人事スキルを向上させることにより、社員一人ひとりが能力を発揮できる、強い組織づくりを目指しませんか？