新入社員研修の知識定着・理解度把握はテストが最適!運用方法などを解説
新卒・中途に関わらず、社員を採用した場合に行われるのが「新入社員研修」です。多くの企業では人的・金銭的なコストをかけて丁寧に研修を行っていますが、「思うような成果が出ない」「研修後に改めて教え直すケースが増えている」「社内での研修には限界があるのでは…」といった悩みの声も聞かれます。
新入社員研修の後に知識定着や理解度把握のための方法としておすすめである「テスト」について解説します。問題作成の方法や評価に繋げるためのポイントも解説しています。
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研修内容の定着・理解度チェックにはテストが最適
新入社員研修は、企業に新しく入社した社員を対象に心構えや知識、スキルなどを指導するために行います。
研修を通じて少しでも早く活躍できる人材を育成することが目的であり、新卒入社であれば社会人としての意識をつけること、中途入社であれば自社の現状と自分のスキルをマッチングさせるための企業や職場の理解…など、それぞれに合わせた内容のカリキュラムを用意します。
しかし、研修は決まったカリキュラムをこなせばOKというわけにはいきません。各社員がどれだけ理解できているのか(もしくはできていないのか)を把握することで、マイナス面を補い、より確実に日々の業務に取り組めるようにサポートする必要があります。
そこで、各社員の知識がどれだけ定着できるのか、理解度を把握・評価する方法としてオススメしたいのが”テストを行うこと”です。
テストの目的と重要性とは
社員研修の評価方法には様々なものがあります。
受講満足度や理解度チェックなどが主なものですが、それらの観点を整理したものに「カークパトリックの4段階評価」があります。
「カークパトリックの4段階評価」は、評価レベルを4段階に分けることでどれほど研修の効果があったのか、どのレベルで留まる社員が多いのかを判断することが可能です。まずは、この4段階の内容を具体的に解説します。
カークパトリックの4段階評価
レベル1:満足度評価(Reaction)
最初の段階は、「満足度」です。満足度は、社員(受講者)の反応を評価指標とするものであり、アンケートやヒアリングによって研修の内容等を評価します。
比較的コストがかからず集計等を手軽に行えることから、ほとんどの企業で行われている方法です。
レベル2:理解度チェックテスト(Learning)
第二段階は、「理解度チェック」です。これがテストに当たります。主に、筆記試験やレポートなどによって社員(受講者)がどれくらいの学習到達度にあるのか、どこに課題があるのかなどの結果を測定することができます。それらの結果から、今後の社員(受講者)のフォローアップなどをを具体的に検討することができるのです。
レベル3:現場でどれだけ活用できているか(Behavior)
三段階目は、研修で学んだことを現場やそれぞれの業務でどのように活かすことができているか、日々の行動に繋がっているかを評価します。研修終了後に「実践期間」を設けることで、研修内容を実践したことでどれだけの成果や効果が現れたかをヒアリングするなどして判断し、社員のフォローや研修の改善に活かします。この段階は研修を企画する人だけでなく現場での協力が不可欠であるため、比較的コストがかかってしまうことが課題です。
レベル4:学習内容がどれだけ成果につながっているか(Business Results)
最後の段階では、研修で学んだ内容が自社の業績にどれだけの影響を及ぼしているのかを測定します。ただし、業績は売上高などの数値をみて判断しますが”研修以外の要因”も業績に関係しているため、具体的な測定は難しいとも言われています。
研修結果をしっかりと判断して今後に活かすことはどの企業においても重要です。「どのような結果を得たいと考えているか」などを具体的に考えておくことで、社員それぞれの行動につなげることができます。
まずは「レベル2」まで取り組んでみる
「カークパトリックモデルの4段階評価」は、全ての段階を活用することが理想です。しかし、多くの企業ではレベル2〜4の実現は難しいのが現状です。そこで、まずは「レベル2」の理解度チェックテストを目標にしてみると良いでしょう。
効果的な理解度チェックテストが作成・実施できれば、それは社員それぞれのフィードバックのための材料になるだけでなく人事評価にもつながります。テストを完成させるまでには時間もコストもかかりますが、業績アップにも効果がありますので、ぜひ前向きに取り組みましょう。
効果的なテストの作り方
ここからは、効果的なテストの作り方について解説します。
知識の復習や定着はテストの重要な目的ですが、それ以外にも次のポイントはどの企業でも共通していることです。実際にテストを作成する際に、意識するようにしましょう。
重要なキーワードやポイントは問題文を変えて定着させる
研修で学んだ内容(キーワードやポイント)は、実際に現場に出て働く上で必要なものばかりです。答えは同じでも問題文の内容や事例などを変えることで、様々なケースに対応できるような柔軟性を身につけるだけでなく、しっかりと知識を定着させましょう。
限られた時間の中で行う研修では、知識を応用的に活用してケーススタディを行うなど学ぶ時間が足りないことがあります。そういった時には、キーワードやポイントを理解するだけでなく様々な場面で活用できるようなテストを作成するようにしましょう。
自社の実態・実務にあった理解ができるようなテスト作成を
社内研修では、一般的なものから専門的なものまで幅広い内容となっています。それらは単なる「一般知識」として吸収するのではなく、自社の実態・実務にあった理解ができるようにすることが重要です。
理解度チェックのテストを行う際には、学んだことを自社の業務で活用できるような形で出題することで理解を促すようにしましょう。
「知っていること」と「行動できること」は別であることを意識
研修で得られるものは「知識」であるため、それが実際に現場での行動につながるかどうかは別問題です。テストを作成する際には、研修での学びを実践で意識した内容や経験を確認すると、より効果的なテストができます。
テストを社員の評価に繋げよう
理解度チェックテストは、単純に「どれだけ理解できているか」「どこに課題があるか」を理解するだけでなく、社員の良いところをフィードバックしたり人事評価につなげることができます。
ここからは、テストをフィードバックにつなげるためのコツを解説します。
テストの結果をフィードバックに活用する
テストの結果は、社員の良いところと悪いところを具体的(数値的)に理解することができます。普段の業務に対する姿勢や成果などとテストの結果を組み合わせ、社員の目標設定やビジョンを考えるきっかけにすることで、より良い成長を支えることにつながります。
また、定期的な面談やサポートを行う際にもテストの結果は資料として有効です。ぜひ、活用しましょう。
悪いところや点数だけでなく、良いところに注目する
テストの結果を活用する際、どうしても悪いところや点数に注目しがちです。しかし、採点の内容をみる中で「特に点を取れていたところはどこか」「得意分野はどこなのか」に注目することで、それぞれをスキルに合った業務に配置することができます。それぞれを適材適所に配置できると、生産性の向上や社員のモチベーションアップが期待できます。
また、「上司や先輩たちは良いところに注目してくれている」ということに気がつくと、それだけでも離職率の低下や自主的なスキルアップを目指すメンタルを培ってくれるでしょう。
テストは人事評価・人材開発教材になる
テストは、受ける側からすると「何のためなのか」「何に活用されるのか」「本当に何かに活用するのか」などマイナスイメージから取り組むこともあるのではないでしょうか。
しかし、テストは「人事評価」や「人材開発教材」を自社で作成する際のデータとして活用できます。また、前述したような活用法があるため、今回紹介した内容以外にも自社がテストを活用したいことを明確に伝え、どの社員の前向きに取り組めるようサポートしましょう。
自信を持って現場に入れるようなサポートのためのテストを!
今回は、新入社員研修の知識定着や理解度チェックのためのテストについて解説しました。せっかく時間とコストをかけて行う研修ですから、新入社員が働く上で感じる不安を少しでも取り除きたいものです。ぜひ、自社オリジナルの理解度チェックテストを作成することでより良い人材教育や評価に活用しましょう。
注意したいこと
新入社員研修は、自社の現状に合わせて様々なカリキュラムが組まれます。その分、テストの内容も多岐にわたります。テストは一度だけしかやってはいけないというわけではないため、回数を分けて受講者にとって無理のないテスト作りが重要です。
ガイアシステムでは、新入社員研修のご相談を承っております。新入社員研修をブラッシュアップしたい担当者様へのアドバイスやサポート、初めて新入社員を迎える企業様の研修企画から実施に至るまで幅広く対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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