ロジックツリーを業務に活かす!作成方法や実践例などを解説
ビジネスシーンにおいて、自分のアイディアや企画、提案などを伝える際には”ロジカルシンキング”が有効です。しかし、多くの人はロジカルシンキングについてなかなかイメージがつかず「ロジカルに伝えてよ」「論理的に話してください」と言われて困ってしまうケースは珍しくありません。また、多くの仕事においては「問題解決」を避けて通ることはできません。そういった点からも、ロジカルシンキングのフレームワークである「ロジックツリー」は身につけておくべきでしょう。
ロジカルシンキングの手法の一つである「ロジックツリー」について解説します。ロジックツリーの作成方法やビジネスで役立つ理由、ロジックツリーの種類に至るまで丁寧に説明します。
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ロジックツリーとは?
まずは、ロジックツリーとは何か?について解説します。
ロジックツリーとは、自社や組織の様々な問題に関する原因や解決法を発見する際に活用できる、課題解決のためのフレームワークの一つです。問題を左から右に向かってピラミッドのように展開していくことで、ロジカルに原因や問題解決を探すことができることが大きな特徴です。また、枝分かれしていった上層と下層をイコールで結べなければならないこと、単純に問題や課題を展開していけば良いのではなく、いくつかのポイントを意識して展開しなければなりません。
なお、ロジックツリーをうまく活用すれば、どんな複雑な問題でも分解して可視化することができるため、原因や解決策を網羅しつつ問題解決の糸口を掴みやすくなります。業界や職種にも関係なく活用することができることから、多くの人が身につけておいて損のないスキルと言えるでしょう。
ロジックツリーの活用事例
なぜロジックツリーが活用されるのか
では、ここからはロジックツリーが日々の業務で活用される理由を解説します。
これらの理由を明確に理解しておくことで、ご自分が自社やチームでロジックツリーを活用しやすくなるだけでなく、効果的にロジカルシンキングを行うことができます。
自社やチームの問題・原因を発見しやすくなる
ロジックツリーが活用される大きな理由として挙げられるのが、「問題や原因の発見が容易になる」ということです。ロジックツリーは、問題や課題を細かい要素に分解しながら検討を進めていくため、その過程の中で「どこで問題が発生しているのか」「原因がどこにあるのか」を特定しやすくなるのです。こういったことから、発生している問題に関しての原因が可視化できるようになり、解決につながっていきます。
物事を全体的に把握できる
ロジックツリーは、物事を「漏れ」「ダブり」なく分析していきます。そのため、正しいステップを踏んで作成すれば問題の全体像を把握することが簡単になります。さらに、ロジックツリーを活用することで問題の解決に関しての「見落とし」を防ぐことができるようになるため、議論が振り出しに戻るリスクを避けられます。ロジックツリーを活用することで、効率的に話し合いを進めることができるようになるのです。
短時間で課題の解決するための優先順位が決められる
問題や課題を解決する方法は、一つではありません。そのため、現状の問題に対して「何から解決すれば良いのか」「やるべきことの優先順位は何か」を見定めることが大切になります。この優先順位や順番を間違えてしまうと解決策の立案までに時間がかかってしまったり、メンバーそれぞれの負担が大きくなってしまいます。そこで、ロジックツリーを活用して把握した全体像を元に、どの解決策が最も効果的なのか、負担が少ないのかを検討・判断することで、短時間での課題解決が可能となります。
また、様々な解決策の中からベストな方法を模索していくことになるため、自然と解決に向けた行動の優先順位も決まります。
メンバー間での認識や行動が共有できる
ロジックツリーによる分析は、メンバーとの共通認識を持つことができるようになります。ロジックツリーは、問題の全体像を可視化することができるため、お互いの認識のズレを防ぎ、一つの課題に向けて協力体制を整えることができます。
チームとしての共通認識を持つことができると、チームワークが深まるだけでなく無駄な行動を減らすことができるため、短時間で確実にゴールを目指すことが期待できます。
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ロジックツリーの作成方法
解決すべき問題や課題を決める
ロジックツリーを活用した問題解決の前には、扱う問題の定義を明確に決めておく必要があります。「解決したい問題が何か」がはっきりしないままでは、解決方法や議論そのものが大きく変わります。
そのため、ロジックツリーを作成する前の「出発点」となる課題は自社やチームなど、組織全体で話し合い、その問題に対しての「仮説」を立てておくことで、全員が共通認識を持つことができるようにしておきましょう。
MECEなどを活用して要素を分解する
解決したい課題や出発点が決まったら、どんどん分解していきます。ただし、単純に分解・分析していくだけでは意味がありません。ここで必要になるのが「MECE(ミーシー)」です。MECEとは、Mutually(互いに)Exclusive(重複しない)Collectively(全体に)Exhaustive(漏れがない)の頭文字をとったものです。「漏れなく・ダブりなく」要素を分解していくことであり、その要素に見落としがないか、同じ要素が存在していないかを注意しながらロジックツリーを作っていくことになります。
MECEを意識して分解していくと、ある階層の要素を全て統合した時、一つ上の階層とイコールになりますが、それがイコールにならない場合には何らかの漏れが発生していることになります。また、ある階層の要素を統合した時に”一つ上の階層にない要素”が見つかった場合には、要素がダブってしまっているのです。
このような”漏れ”や”ダブり”がない状態を意識しつつ、問題や課題を分解していくのがMECEです。
実際に行動できるレベルまで掘り下げる(5段階ほど)
ロジックツリーは、左から右へどんどん要素を分解して展開していきます。深くなればなるほど具体的な結論や行動指針が見えてくるという特徴があるため、基本的には実際にチームとして行動できるレベルまでは掘り下げていきましょう。また、最低でも5階層ほどは分解しておくと、具体的に動きやすくなります。各要素を分解していくに当たっては、各要素の水準が揃うようにすることで、ツリー全体の階層が崩れることを防げます。
最終的にどうしていくかを決定し行動する
ロジックツリーによって要素を分解・深掘りできたら、実際に行動していきます。チーム全体がロジックツリーによって課題・問題を解決することによってゴールを明確にできているため、無駄な動きを極力減らし、効果的に行動することができます。
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ロジックツリーの種類
ここまでは、ロジックツリーの基本的な認識や作成方法についての解説でした。ここからは、ロジックツリーの種類についてです。実は、ロジックツリーにはいくつかの種類があります。
それぞれの課題・問題や立てた仮説によって使い分けることで、より効果的にロジカルシンキングができるようになります。本記事では、4つのツリーを紹介します。
Why型ツリー(原因分析)
まずは、「Why型」と呼ばれるツリーです。これは、「原因追求ツリー」とも呼ばれており、問題発生の原因を追求するために作成します。問題・課題の根本原因が何かを突き止めることができれば、原因の改善が期待できます。
What型ツリー(要素分解)
「What型」は、問題が「どこで発生しているのか」を突き止めるために活用されるものです。「要素分解ツリー」とも呼ばれます。
何かしらの問題が発生した場合、「問題の発生箇所を特定すること」と「問題の大きさの特定」をすることによって、要素の分解・分析ができやすくなります。そのため、What型ツリーを活用することで問題や課題の構図を可視化し、問題の発生箇所の特定や大きさの特定を行うことは重要と言えます。
How型ツリー(問題解決)
How型は、「イシューツリー」と呼ばれており、問題解決策を立案したり優先順位をつけることを目的として作成するものです。このツリーを作るまでには、「Why型」や「What型」のツリーによって原因追求や問題発生の原因を把握できています。そこから、この「How型」によって具体的なアクションプランを考えることで、チーム全体が「具体的にどう行動すれば良いか」を認識した上で、それぞれのアクションを起こしやすくなります。
KPIツリー
KPIツリーは、自社が設定したKPIと問題・課題との因果関係を表すためのものです。どれだけ良い問題解決策を立案したとしても、実際に自社が設定したKPIや数値に落とし込まなければ、チームとして行動することはできません。そのため、ロジックツリーを活用して定めることができた問題解決策をKPIに落とし込むために、KPIツリーを活用してチームとしての共通認識をもち、より具体的かつ効果的にアクションへつなげるようにしましょう。
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誰でも使えるロジックツリー作成ツール
最後に、ロジックツリーを作成するために役立つツールを解説します。ロジックツリーは状況に応じた作成が必要になりますが、毎回手書きというわけにはいきません。そのため、エクセルやパワーポイントなど、誰でも使えるツールを活用できるようになりましょう。本記事では、4つのツールを紹介します。
MindNode
「MindNode」は、前述した「XMind」と同様にマインドマップを作るためのツールではありますが、ロジックツリーの雛形も存在しています。シンプルで使いやすいツールなので、初めての人でも安心して使用することができます。
ただし、iOSやMacOS向けのアプリであるため、WindowsやAndroidユーザーは使えないというデメリットがあります。
XMind
「XMind」は、元々マインドマップを作成するためのものです。
しかし、様々なテンプレートの中にロジックツリーの雛形があるため、それを活用すれば作成できます。XMindは有料版と無料版がありますが、無料版で全てのテンプレートを使用することができるため、自社や組織の状況をみながら有料版か無料版かを選択することをオススメします。
また、XMindはスマートフォンでも使うことができますが、PCとスマートフォンを連動させるためにはクラウドストレージが必要になるため、注意が必要です。
エクセル
ロジックツリーは、エクセルで作ることができます。
エクセルの中には「SmartArt」があり、その中のテンプレートを活用すればロジックツリーの雛形が作れます。あとは、テキストを書き込むだけで階層が展開できるので、エクセルが入っているPCさえあれば誰にでも作れるのです。
パワーポイント
パワーポイントには、エクセルと同じ「SmartArt」があります。
そのため、エクセルと同じような方法で雛形を作成すればロジックツリーを作ることができます。さらに、エクセルよりもデザイン性が高いものも作れるため、工夫して作ってみましょう。
ロジックツリーを活用してロジカルシンキングに強くなる
今回は、ロジックツリーの基本や作成方法、考え方などを解説しました。ロジカルシンキングは、どうしても「難しい」「身につけなければならないスキル」と思われがちです。慣れるまでには時間がかかるかもしれませんが、「ロジックツリー」などのフレームワークを活用すれば、ハードルを下げつつロジカルシンキングに慣れることも可能です。
ガイアシステムでは、ロジカルシンキングや「ロジックツリー」の作成方法・活用方法に関する研修をはじめ、企業様のスタイルに合ったものをご提案しています。
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