数字に強くなる財務・会計研修とは?内容やメリットを解説
財務・会計研修は、ビジネスパーソンにとって必須の知識である、決算書の読み方・活用方法、財務分析の基礎知識までを、サンプルの決算書を使って学ぶ研修カリキュラムです。
経営的な視点での業務改善に関するところまで学ぶことができたり、ビジネスそのものに対して深い目線で物事を見られたりするようになるため、財務・会計などの専門部署の方だけでなく、管理職・マネージャーはじめ、さまざまな立場の方に受けていただきたい研修です。
今回は、財務・会計研修とは何か、研修の内容や役割について解説します。ぜひ、最後までご覧ください。
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財務・会計研修とは
財務・会計研修は、「財務諸表」や収益構造に関する基礎知識を学び、最終的には財務分析や経営マネジメントに関わるところまで習得することを目指します。
また、ビジネスパーソンにとって欠かせない知識である「決算書の読み方や活用方法」「財務分析の基礎知識」などを学ぶことができます。
ここでは、財務・会計研修で身につけられることを簡単に解説します。
財務についての知識を身につける
まずは、財務とは何かという基礎部分から知識を身につけます。企業によっては、経理や会計を担当する従業員がそのまま財務に関する業務を行うことが多いようです。その背景には、財務は経営や企画に近いものがあり専門性の高さが要求されるため、人材を探すことが難しいということもあります。そのため、中小企業では財務部を置く企業は少ないのが実情です。
経営的な視点での業務改善を目指す
財務は、前述した通り「経営」や「企画」に関わる部分がとても大きい業務です。現在、不安定な財政状況の中で自社の経費削減などを検討するとき、「何にどれだけを使われているのか」が理解的なければ、業務改善することはできません。そのため、財務・会計研修によって学ぶことを通じて、経営的な視点での業務改善を目指すことができるような視点が求められます。
財務会計研修で強い人材育成を!基礎やその他の会計との違いを解説
財務会計は、簡単にいうと「企業の資金繰り」に関する会計です。財務会計に関わる人は、「どうすれば企業が適切に活動を行うことができて、どのような資金を管理や調達…
そもそも「財務」「経理」「会計」の違いは?
企業におけるお金関係の業務については、「経理」「財務」「会計」など様々な言葉があるため混同してしまいがちです。しかし、実際にはそれぞれに明確な違いがあります。
経理と財務の違いは、管理するお金の種類と目的にあります。
財務 | 会社がこれから使うお金を調達し、予算や資産運用などを管理する業務 つまり、会社のお金を将来に向けて管理する役割があります。 経理担当者が作った決算書を分析し、会社の財務計画を立案するなど、経営の根幹に関わる役割があります。 お金の流れが把握できておらず、全体を見渡した対応ができないと、運転資金の不足や予算の不足などにより、 倒産してしまうケースもあるのです。 |
会計 | 事業の収支、財政状態などのお金の流れを記録し、財政状態などを関係者に報告する業務 会計は、「会社の取引やお金の流れを記録すること」と思われがちですが、 財政状況や経営状況を関係者に広く報告することが会計の目的です。 |
経理 | 会計の一部であり、会社が業務に使った過去のお金を記録し、決算書などを作成する業務 簿記という会計の方法や手順を示すルールに従ってお金の流れを記帳します。 |
財務の業務
財務の仕事とは、会社のお金を将来に向けて管理することです。具体的には、以下のような業務があります。
- 財務戦略の検討・立案
会社の経営状況や目標を分析し、資金調達や資産運用などの計画を作ります。 - 予算編成・管理
各部署やプロジェクトに必要な予算を決め、実際に使われているかをチェックします。 - 資金調達
会社が必要なお金を銀行や投資家などから借りたり、株式や社債を発行したりします。 - 余剰資金や資産の運用
会社に余ったお金や使わない資産を有効に活用し、利益を生み出します。 - IRや監査対応など
投資家に会社の情報を開示したり、外部機関からのチェックに応じたりします。
財務は、会社の方向性や成長性を左右する重要な仕事です。
財務のスタッフには、数字に対する正確さや論理性だけでなく、コミュニケーションや交渉などのスキルも求められます。
会計の業務
会計の業務とは、企業や公的機関などが、事業の収支や財政状態などのお金の流れを記録し、その結果を利害関係者に報告することです。会計の業務には、以下のような種類があります。
財務会計 | 外部の利害関係者に対して、会社の財政状態や経営状況を報告するために行う会計です。 決算書や税金の計算などが含まれます。 |
管理会計 | 内部の経営者や管理職などに対して、会社の状況を把握して意思決定に役立てるために行う会計です。 予算やコスト管理などが含まれます。 |
税務会計 | 税法に基づいて、会社が納めるべき税金を正しく申告するために行う会計です。 法人税や消費税などが含まれます。 |
会計の業務は、日次・月次・年次という大きな流れで行われます。
日次では、売上や仕入れなどの取引を帳簿に記録します。
月次では、その月の収支を集計し、月次決算を行うこともあります。
年次では、その年の収支を集計し、年次決算を行います。年次決算では、決算書や確定申告書などを作成します。
会計の業務を担当するために、必要な知識やスキルは?
- 会計基準や税法などの法令やルールに関する知識
- 帳簿や決算書などの書類作成に関する知識
- 仕訳や集計などの基本的な会計処理に関する知識
- 会計ソフトやエクセルなどのツール操作に関するスキル
- 数字に対する正確さや論理性
- コミュニケーションや交渉などの人間関係に関するスキル
会計業務に、有利な資格
- 簿記検定
- 税理士試験
- 公認会計士試験
- 経理士試験
未経験からでも会計の業務を担当することは可能ですが、基本的な知識やスキルは身につけておく必要があります。
また、経験者から指導やアドバイスを受けることも重要です。
経理の業務
経理の仕事とは、会社のお金の流れを記録し、管理し、報告することです。
経理の仕事には、以下のような業務があります。
- 出納:現金や預金の出し入れをする作業
- 起票:取引や出入金が発生した際に伝票に書き起こす作業
- 記帳:伝票を勘定科目ごとに分類して帳簿に記録する作業
- 集計:帳簿のデータを集計して試算表や決算書を作成する業務
経理の仕事は、日次・月次・年次という大きな流れで行われます。
・日次では、売上や仕入れなどの取引を帳簿に記録します。
・月次では、その月の収支を集計し、月次決算を行うこともあります。
・年次では、その年の収支を集計し、年次決算を行います。年次決算では、決算書や確定申告書などを作成します。
経理の仕事は、会社の財務状況や経営状況を把握するために重要な役割を果たします。
経理の仕事には、数字に対する正確さや論理性だけでなく、コミュニケーションや交渉などのスキルも求められます。
また、持っていると有利な資格としては、簿記検定や税理士試験などがあります。
貴社に最適な研修プログラムをご提案
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財務・会計研修の対象者は?
対象別に、研修を受講目的するを整理してみていきましょう。
会計担当
この研修のメインとなる対象者は、会計担当者です。
ただし、企業会計は数字を扱うものであるため、人によっては抵抗感を感じることがあるかもしれません。そのため、財務会計に関する知識や経験がない方については、新入社員や一般社員と同じレベルから学ぶことから始めることで、ハードルを下げつつ学ぶことができます。
また、すでに経験や知識がある担当者については、ケーススタディなどによってより実践的な内容を学んだり、業務の中で自分が弱いと思う部分を補ったりするような研修にすると良いでしょう。
新入社員
新入社員の多くは、大学などで経営や会計を専門的に学んでいない限り企業会計に関する知識は無いと言っても良いくらいでしょう。
そのため、新入社員が自社の利益向上に貢献するための手段として、財務研修を受けることが有効です。
入社から早い段階で、財務諸表の読み方や各項目の意味を理解することで、自社の財務状況や収益を理解することができることからもオススメです。
営業担当者
「営業担当者が財務会計の知識を身につける必要があるのか」と思われるかもしれませんが、財務会計の知識を身につけておくことで、
取引先企業の状態や競合他社の財務状態を把握することができるため、競合他社の状況を考えた提案やクライアントのニーズを意識した提案ができるようになります。
結果として自社の業績向上に結びつくため、研修を受けておくメリットは多くあると考えられます。
管理職
管理職は、自社の経営目標を達成するため部下と協力して日々の業務をこなしていく必要があります。
そのためには、達成のための具体的な戦略を練らなければならないため、財務会計研修は有効です。
この研修を通じて財務分析のスキルを身につけ、数字を元にして自社の強みや弱み、競合他社の特徴を把握できるようになることで、自社の業績向上のためにできることに全力で取り組みましょう。
財務・会計研修のメリット
数字に強くなることで論理的な説明ができるようになる
財務会計研修を通じて数字に強くなることで、自社や他社(取引先や競合など)の状況を冷静に分析することができるようになります。
財務に関する分析スキルなどは社内外での会議やプレゼンなどで説得力のある説明ができるため、論理的な説明などができるようになることがメリットと言えるでしょう。
自然と経営者視点で考えたり行動したりする傾向が身につく
財務会計に関する業務は、自社の経営に深く関係することになります。そのため、従業員一人ひとりが自社の目標を理解した上で「自分が(部署が)どういった行動を取れば良いか」を考えるようになります。
特に、研修における演習では経営者視点に立った考え方や行動に触れる機会を作ることで、より日々の業務に活かすことができます。
研修のカリキュラム内容を一部ご紹介
ここからは、財務・会計研修の流れを解説します。以下の内容については、会計担当になったばかりの人や新入社員に対しては欠かせないものです。
ただし、あくまで一例ですので、自社で内製化する場合には自社にあった内容を追加する、外部に委託する場合でも自社の現状を改善できるような研修プログラムを検討しましょう。
企業会計について
ここでは、企業会計の基本を学びます。「企業会計とは何か」「決算書の役割や読みこなすためのコツ」「損益計算書、貸借対照表の読み方」「財務分析(簡単なもの)」など、内容は多岐に渡ります。幅広く把握しておくことによって、財務担当者だけでなくそれぞれの業務に活かすことができます。
また、簿記の基本についても理解できるプログラムを入れておきましょう。簿記については、完全に理解しようとすると時間がかかり負担も大変なことになるため、全体の流れをざっくりと理解しておくだけでも問題ありません。ただし、「簿記とは何か」ということと「仕訳とは何か、どのように行うのか」は頭の中に入れておくと良いでしょう。
損益計算書について
損益計算書(PL)は、一定期間における企業や団体の費用別の収益と費用とを対照表で表、純損益がわかるようにまとまっているものです。ここでは、「損益計算書とは何か」「売上・利益・費用に関する用語」を中心に学ぶことが重要です。また、実際に手を動かして仕組みや見方を理解することができるため、実践的なワークを活用して利益の変動などを学ぶと良いでしょう。
貸借対照表について
貸借対照表(BS)は、貸借対照表は、「バランスシート」とも呼ばれます。ある時点における企業の資産状況を示し、企業の保有資産と負債、純資産が表によって表されています。現状、自社がどのような形で利益が出ているのかを把握することができるため、読めるようになっておくことが必要です。
キャッシュフロー計算書について
キャッシュフロー計算書は、現金の増減と理由を示すものです。決算の期首と期末の現金を記載しておくことで、手元にある現金の額を把握することが可能です。
財務分析について
財務分析は、貸借対照表や損益計算書などの「財務諸表」の数字に基づいて、会社の収益性・安全性・生産性・成長性を分析し、自社の現状を業界内や競合他社と比較することです。この分析や比較の結果を基にして、「改善する点はどこにあるか(もしくはないか)」「問題はないか」をチェックすることによって、自社の経営状態に関する危機を避けるとともに正確な現状把握や未来則を行うことで、意思決定をより良い方向に導くことができます。
実践に近い演習
財務・会計研修では、経験値によってケーススタディを中心とした実践的な内容を検討することも良いでしょう。財務会計に関する業務に慣れている人ほど、自分の苦手分野や知識を再度確認指定おきたいことをケーススタディで補うことで、日々の業務をより円滑に進めることができます。なお、演習を行う場合には事前に参加予定者にヒアリングを行っておき、参加者に寄り添った演習になるよう心がけましょう。
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財務会計研修のプログラム内容・カリキュラム事例
研修課題・ニーズに最適化するため、カリキュラムはオーダーメイドで構築しています。下記、一例としてご確認ください。
テーマ | 詳細 |
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1.財務三表の基礎知識 | ・貸借対照表の見方 ・損益計算書の見方 ・キャッシュ・フロー計算書の見方 |
2.管理会計と財務会計 | ・管理会計の意味と役割 ・財務会計の意味と役割 ・「管理」「財務」の違いと役割 |
3.マネジメントで活用する会計 | ・値入と粗利の考え方 ・費用構造を知る ・営業レバレッジの活用 |
4.財務諸表から企業を読み解く | ・安全性分析 ・収益性分析 ・効率性分析 |
5.セミナーのまとめ | ・質疑応答 ・講師からのメッセージ |
研修資料:貸借対照表(バランスシート)・損益計算書
研修計画および実施のためのポイント
財務・会計研修を計画・実施する時には、事前準備からアフターフォローまで複数のポイントがあります。今回は、ポイントを絞って解説しますのでこれから研修を考える方はしっかりご確認ください。
現時点での課題を抽出する
研修を行う前に、現時点での課題を洗い出しましょう。経理担当者は当然のこと、人事担当者、経営層、営業部門、経理部門など様々な役割の従業員から聞き取りであったり話し合ったりする場を設けることで、できるだけ多くの課題の洗い出しを行いましょう。
目的と対象者の決定
この研修は、実施することが目的になってはいけません。研修を通じて財務・会計に関する知識を深めるだけでなく、研修を通じて自社の業績向上等に貢献するためにできることがわかることによってモチベーションを高めることにつながります。
なお、研修の対象者は、研修の目的や研修によって解決したい課題を明確にすることで「誰を参加させるべきか」がはっきりします。逆に、研修の内容をすでに学んでいる人や実務に良い影響を与えない人は参加させることで逆効果になる可能性がありますので、注意が必要です。
実施計画の策定
実施計画については、研修の形式や日程、時間や講師(外部もしくは内部)を含めてできるだけ詳細に決めていくようにしましょう。担当者や日程、会場については常にトラブルがあることを想定して緊急時に使える会場や講師のスタンバイなど、丁寧に準備しておきましょう。
研修実施後は定期的な振り返りが重要
研修は、実施したらそれで良いわけではありません。その後のアフターフォローによってスキルや知識の定着率を高め、より確実に実務に活用できるようサポートしましょう。研修に限らず、人事面談や定期面談など様々な場面で知識が活用できるかどうかを活用する意識も大切です。
研修を通じて数字を味方につけよう
今回は、財務。会計研修に関しての解説でした。財務・会計研修は「専門的なもの」と思いがちですが、できれば様々な部署に所属する従業員が参加すべきものです。
これから研修を行いたいと思われている方、現在の研修をリニューアルしたい方は、ぜひガイアシステムまでご相談ください。弊社では、経験豊富なコンサルタントが事前準備からアフターフォローまでを丁寧にサポートします。
研修の企画等にお困りの担当者様も、お気軽にご相談ください。皆様からのお問い合わせをお待ちしております。
豊富な研修プログラムをご用意しております。
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