人材開発支援助成金の特定訓練コースとは?概要や申請方法を紹介!

人材開発支援助成金 特定訓練コース

人材育成に力を入れている企業の強い味方となる人材開発支援助成金には、さまざまな種類があり、研修内容や助成額がそれぞれで異なります。
中でも特定訓練コースは、中小企業や事業団体が受講することが多く、企業に勤める従業員の生産性向上に非常に役立っています。特定訓練コースは、全てのコースの中でも助成される金額が多く、いかなる職業の企業でも取り入れやすいという特徴があります。

 

そこで本記事では、人材開発支援助成金の特定訓練コースについて、概要や助成額、申請方法などを詳しく紹介します。

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人材開発支援助成金には8種類のコースがある

助成金 社員研修

人材開発支援助成金とは、業務の効率や生産性を向上させることを目的とした研修等を行い、それにかかる費用を国が助成してくれる制度です。

人材開発支援助成金では、研修にかかる経費の一部と、研修に参加した従業員の賃金の一部が助成されます。

人材開発支援助成金は8つのコースに分かれており、それぞれ内容や助成される対象、金額が異なります。

  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • 教育訓練休暇等付与コース
  • 特別育成訓練コース
  • 建設労働者認定訓練コース
  • 建設労働者技能実習コース
  • 障害者職業能力開発コース
  • 人への投資促進コース

いかなる職種の企業でも利用することができる特定訓練コースや一般訓練コースなどもあれば、建設労働者認定訓練コースや建設労働者技能実習コースなどの、専門の職種に特化したコースもあります。

特定訓練コースの概要を解説

人材開発支援助成金 特定訓練コース

ここからは、特定訓練コースの基本概要、対象者、訓練の内容を紹介します。

特定訓練コースとは

特定訓練コースとは、OFF-JTやOJTを組み合わせた訓練を行い、それにかかる経費の一部や、訓練を受けた従業員の賃金の一部を国が助成してくれる制度です。

  • OFF-JT⇒職場を一時的に離れて行う訓練
  • OJT⇒実際の職場で仕事を通して行われる訓練

ここでいう訓練とは、企業の価値を高めるための従業員のスキルアップを目的としており、結果として従業員一人あたりの生産性向上が見込まれます。

特定訓練コースの対象者

特定訓練コースを受けられるのは、以下に当てはまる企業に勤めている正社員に限ります。

  • 中小企業
  • 中小企業以外
  • 事業主団体等

正社員以外は、人材開発支援助成金ではなくキャリアアップ助成金という別の助成金の対象となるため注意が必要です。

また、訓練を実施する際には、いつ実施するかを記載した計画書の提出が必要です。その計画書に記載されている従業員であり、なおかつ雇用保険の被保険者である従業員が対象となります。
さらに、訓練を受講した時間が実訓練時間数の80%以上であることも条件となります。

特定訓練コースには7つの訓練がある

特定訓練コースには、以下の7つの訓練が登録されています。

  • 労働生産性向上訓練
  • 若年人材育成訓練
  • 熟練技能育成・継承訓練
  • グローバル人材育成訓練
  • 特定分野認定実習併用職業訓練
  • 認定実習併用職業訓練
  • 中高齢者雇用型訓練

それぞれの具体的な訓練内容に関しては、以下の表をご覧ください、

訓練訓練の内容
労働生産性向上訓練職業能力開発促進センター等の、特定の公的機関で実施される職業訓練
若年人材育成訓練採用後5年以内で、35歳未満の従業員を対象とした訓練
熟練技能育成・継承訓練熟練の技術者の指導力を強化したり、技術を継承するための訓練、
認定職業訓練
グローバル人材育成訓練海外に関連する仕事に従事する人材を育成するための訓練
特定分野認定実習併用職業訓練建設業・製造業・情報通信業が実施する
厚生労働省の認定を受けたOJT付きの訓練
認定実習併用職業訓練厚生労働省の認定を受けたOJT付きの訓練
中高齢者雇用型訓練直近2年間に継続して正社員の雇用の経験がない
中高年新規雇用者を対象としたOJT付き訓練

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特定訓練コースの助成金について詳しく解説

人材開発支援助成金 特定訓練コース

次に、特定訓練コースを受講した場合の助成金について詳しく解説していきます。

3つの助成対象

特定訓練コースを受講すると、経費の一部と賃金の一部が助成されます。特定訓練コースの助成金の種類は以下の3種類です。

助成対象特徴
賃金助成・訓練にかかった従業員の賃金を助成するもの。
・訓練を行った時間に対して支給される。
・OFF-JTに対して支給される。
実施助成・OJTを実施した際に支給される
経費助成・訓練で使用した設備や教材などの経費を助成するもの。
・OFF-JTに対して支給される。

助成額

特定訓練コースで実際に助成される金額は以下の通りです。

賃金助成の支給

生産性条件を満たさない場合生産性条件を満たす場合
OFF-JTの場合760円960円
OJTの場合なしなし

賃金助成はOFF-JTにのみ支給され、OJTの場合は支給されません。

また、生産性条件を満たす場合は、通常よりも200円高い960円が1人1時間あたり支給される仕組みとなっています。

実施助成の支給

生産性条件を満たさない場合生産性条件を満たす場合
OFF-JTの場合なしなし
OJTの場合665円840円

実施助成は、OFF-JTでは助成金は支給されず、OJTにのみ支給されます。

賃金助成同様、生産性条件を満たしている場合は、通常よりも200円ほど高い840円が1人1時間あたり支給される仕組みとなっています。

経費助成の支給

生産性条件を満たさない場合生産性条件を満たす場合
OFF-JTの場合45%60%
OJTの場合なしなし

経費助成はOFF-JTにのみ支給され、上記の2つと同様、生産性条件を満たす場合は支給額が60%に増額される仕組みになっています。

また、上限額が決まっており、行われた訓練の時間が20時間以上100時間未満だった場合は15万円、100時間以上200時間未満の場合は30万円、200時間以上の場合は50万円と決められています。

特定訓練コースの申請方法を紹介

人材開発支援助成金 特定訓練コース

特定訓練コースの申請方法は3パターンあり、受講する訓練によって申請方法が異なります。

以下では、それぞれの申請方法をわかりやすく紹介します。

特定分野認定実習併用職業訓練や認定実習併用職業訓練を受講する場合

特定分野認定認定実習併用職業訓練や認定実習併用職業訓練の助成金申請で重要なのは、職業能力開発推進者を選任し、事業内職業能力開発計画を作成しなければいけないという点です。

この工程を怠ってしまうと、助成金の申請ができません。
また、訓練開始日から起算して2ヶ月前までに訓練実施計画届を提出する決まりになっているため、こちらも忘れずに行いましょう。

申請の手順

  1. 職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の作成
  2. 実践型人材養成システム実施計画を労働局へ提出
  3. 厚生労働大臣の認定審査
  4. 厚生労働大臣の認定通知書の交付
  5. 訓練計画を労働局へ提出
  6. 訓練の実施
  7. 助成金の受給申請

中高齢者雇用型訓練を受講する場合

中高齢者雇用型訓練の助成金を申請する場合は、上記と同様に職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画を作成しなければなりません。

訓練計画の提出は、訓練開始日から起算して1ヶ月前までとなっており、1ヶ月を過ぎてしまうと申請ができなくなってしまうので注意が必要です。

申請の手順

  1. 職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の作成
  2. 訓練実施計画届を提出
  3. 訓練の実施
  4. 支給申請書等を労働局へ提出
  5. 助成金の支給申請

上記以外の訓練を受講する場合

上記以外の訓練を受ける場合、助成金の申請方法は全て同じです。
上記とは異なるものの、職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画の作成は行う必要があるため注意が必要です。

また、訓練実施計画届の提出は、訓練開始日から起算して1ヶ月前までとなっているため、こちらも把握しておきましょう。

申請の手順

  1. 職業能力開発推進者の選任・事業内職業能力開発計画の作成
  2. 訓練計画を労働局へ提出
  3. 訓練の実施
  4. 支給申請書(訓練様式第5号)・必要書類等を労働局へ提出
  5. 助成金の支給申請

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まとめ

人材開発支援助成機の特定訓練コースについて、概要や助成額、申請方法などについて詳しく紹介しました。
特定訓練コースは、OFF-JTやOJTを組み合わせた訓練を行うことにより助成金を支給できる制度で、訓練の内容は7種類に分かれます。

企業の価値を高め、従業員のスキルアップを求めている企業においては、非常に便利な制度です。

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